技術習得の本質は主観と客観のズレを縮めるところにある。各運動ごとにビデオでチェックしてそのギャップを埋めていく。日本の強い選手もビデオを撮影するし、アジア大会100m銅メダルの山縣亮太選手も今まで積み重ねてきた動画は7000を超えると言われている。
自分の哲学のある探究者になりつつある。
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) 2018年12月7日
自分の技術を確認するために、選手がビデオを撮ってほしいとお願いしてきました。
ビデオ撮影自体はぼくがいつもやっているので真新しいことではありませんが、選手本人からしつこいくらいにそうお願いされたのは初めて。
普段の指導では「主観と客観の一致が大切」という話をしているので、選手たちもそのことの大切さを理解してきています。
今までは全力でがむしゃらにやってきた練習。
そこからさらに発展して、自分で自分の動きと感覚のズレを確認して、それを自分自身の体と頭の中でフィードバックして、もう一度トライしてみる。
このサイクルが練習においてものすごく重要です。
結局技術練習というのは「自分が考えた動きと実際の動きが完全に一致」すればいいので(もちろん、ここに主観、感覚が入るけど)、やっぱり確認するのに最適なのはビデオなんです。
パラグアイの選手たちってほとんどの人がスマートフォンを持っています。
これは首都だけでなく田舎もそうです。
もちろん携帯のグレードによってビデオの質も異なるかもしれませんが、一応スマートフォンを所有していて、それを使うことができるという事実をパラグアイの指導者たちはどうやってうまく使っていくか、ということを考える必要があると思います。
練習とは
- できないことをできるようにすること
- できていることの質をさらにあげること
です。
そのためにはビデオ撮影が必要。
ぼくがやるのもいいけど、いつかは選手たちが主体となってデバイスを活用しながら競技をやってほしいと思っていました。
鍛錬期という陸上選手にとってとても重要な期間にこのような変化を見ることができてとてもうれしく思います。
そういえば最近、選手からインスタグラム宛にいろいろな陸上競技の動画が送られてきます。
普段の練習では「何のために練習するの?」と聞いても「わからない」とばかり言う選手でも、インスタグラムからこうやって自分のためになりそうな動画を手に入れることができる。
つまり、強くなりたいんだな、って。
もちろん、陸上競技は「強くなること」が目的の全てではないけど、選手たちに芽生えつつある「各々の選手観」を大切にしていきたいなと思います。

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