世界一流選手を知るキューバ人コーチが考える、パラグアイに足りない「組織化」「しつけ」の重要性とボランティアの考え。

https://twitter.com/KotaOhmura/status/977483649716277248

 

月末に休暇を取って首都アスンシオンに上がっています。

この休暇の目的の1つとして、

首都のコーチとコンタクトを取る

があります。

なぜなら、パラグアイ全体の陸上競技を考えたら任地だけの狭いコミュニティだけでは足りないから。

広いコミュニティで協力者、仲間を作るには、やはり自分からコンタクトを取る必要があります。

少しでもボランティアのことを認知してもらう必要があるんです。

 

 

競技場に行くと過去にパラグアイの陸上競技講習会で講師をされていたキューバ人指導者がいたので、ぼくからあいさつをしてコンタクトを取ってみました。

パラグアイの陸上競技のレベルアップに必要なことは何か?

キューバ人コーチの視点から見るパラグアイの陸上競技はどうなのか、を聞いてみました。

そこで感じたこと、大切だと思ったことをまとめます。

 

 

キーワードは、

  • 組織化
  • しつけ

この2つです。

 

1.パラグアイの組織は「組織化」されていない

パラグアイにも日本と同じように陸上競技連盟があります。

首都の施設に各連盟があり、陸上競技連盟もそこにあります。

 

 

キューバ人コーチ曰く、

連盟や機関という組織はあるが、全然組織化されていない。

そして、機能していないことに問題がある。

とのこと。

 

 

確かにぼくもその通りだと思いました。

日本の感覚からすると、いくらスポーツ機関という大きな場所であってもパラグアイの人たちはまるで仕事をしていないように見えるのです。

その感覚をキューバ人の彼も同じように持っていたということです。

 

 

組織って上の決定によって下が動きます。

だから上がだらしないと当然下もだらしなくなる。

いくらスポーツ連盟の傘下である陸上競技連盟が「私たちは一生懸命やっている!」と言っても、当の上の人たちがだらしなくやっていたら陸上競技連盟は孤軍奮闘状態。

当然一生懸命のレベルも目に見えないところで100%ではない。

つまり常時低いレベルで一生懸命であるということ。

 

 

スポーツにおける勝負の世界はそんなに甘いものではありません。

選手の強化を重点的にやって結果を出すといっても、スポーツの結果は日常的な努力の積み重ね。

いきなりいい結果をだそうなんて無理なんです。

だからこそ、本気で競技レベルを向上させたいと考えているのであれば、日常的な意識を改革する必要があると個人的には思います。

 

 

例えばパラグアイ人コーチの「プライドの高さ」

これは組織の問題以前に小さな領域内で問題です。

今の日常意識だと「自分の考えが絶対」という感じを受けます。

だから首都のコーチを見ていてもコーチ同士の交流を見ることはありません。

パラグアイ全体の陸上競技レベルの向上を考えたとき、お互いに切磋琢磨していく必要があるのに「プライドの高さ」が邪魔をしていつまでたっても指導レベルが向上しないのではないかと、ぼくは思います。

自分の選手だけ、ではなく、「全員を全員で育てていく」、そんな環境が必要。

一人のコーチが作るチームとしては成り立っていると思いますが、チームコミュニティ同士が独立している状態、つまり「組織化」されていない状態では本当の意味での陸上競技の発展はできないかなと。

 

 

また、下の組織は上の組織の決定に従うので、上の組織が競技力向上のためにどのようにしたらいいかをよく考え、それを実行する必要があると思います。

世の中には小国で貧しくて人口が少ないような国であってもスポーツレベルが非常に高い国はいくらでもあります。

それこそ例えば「キューバ」。

陸上競技でも世界トップクラスの選手を何人も輩出しているし、ほかの有名なスポーツだと野球やバレー、ボクシング、柔道などがあります。

さらにキューバはプロスポーツ禁止でみながアマチュア。

小国であっても世界的に活躍を見せる国から「組織」の面で学ぶことはたくさんあるのではないかと思います。

 

2.しつけがされていない

またキューバ人コーチ曰く、

しつけがされていない

とのこと。これが問題のようです。

 

 

これはぼくも完全同意です。

なぜならしつけがされていなければ練習効率が悪いし、ゆるくなってしまうから。

 

校風が「自由」という学校。だから先生たちも「この子達はしつけが足りない」と言います。自由の中でもしつけはできると思うのだが。。

 

例えばぼくの任地の人たちは基本的に人の話を聞きません。

これは選手も大人もです。

選手に関しては説明したことを何度も聞き返すのでいつまでたっても話が進まない、というような状況も多々あります。

理解力不足で練習をしても意味がないんです。

そして大人も人の話を聞かないから、平気で分かったふりをする。

その分かったふりを今度は子供たちに伝える。その後どうなるか。結果なんて見えてますよね。

 

 

理解力不足や注意力不足が大人から子供に循環していく。

だからしつけが十分にされない人が多い。

 

 

また、組織化がされていないという問題にも通ずる話なのですが、学校にも問題があります。

子どもの教育に関わる大きなコミュニティとして「家」と「学校」がありますが、学校でのしつけ不足はその後の人間形成に大きな影響を与えます。

学校の子供に与える影響というのは非常に大きい。

だから、キューバ人コーチは言っていました。

「学校教育を見直す必要がある」

と。

 

しつけがしっかりされている学校の子供たちは、不器用ながらも日本人のように話を聞いて一度でやることを理解できていた。

 

スポーツ競技力向上と「しつけの有無」の関連性は切っても切り離せない関係。

学校教育の充実がスポーツ競技力に関係するのであれば、国全体のスポーツレベルの向上は任地という狭いコミュニティだけのアプローチでは不十分。

本気で国レベルでの改革を起こしたいなら、上の組織へのアプローチと改変が必要だと思います。

それもスポーツ機関ではなく、しつけ、つまり人間形成の根幹である学校教育から。

パラグアイの人たちには「競技」以外のところから改革を起こしていってほしい、そう思っています。

 

まとめ~スポーツ文化を発展させるには「競技」だけ見ていても足りない。

ぼくもまだ派遣されてから間もないので、パラグアイすべての文化を把握しているわけではありません。

ですが、スポーツ文化の発展、レベルアップには、キューバ人コーチが言うように

  • 組織化
  • しつけ

この2つが大切だと思いました。

 

 

キューバ人コーチの考え方、そしてキューバの国家的なスポーツ戦略。

これにはパラグアイの指導者たちは見習う部分があるかなと思います。

どことなく日本とキューバのスポーツに対する考え方が似ていると感じました。

 

 

しつけや組織化を充実させるためには、上の機関にアプローチして根本的な改革を進める必要がある。

ただ、それをボランティアの力で解決するのは到底不可能だと正直思いました。

なぜなら時間が足りなすぎるから。

2年あるうちの1年目なんて、実質的に何もできない期間。

残りの一年で抜本的な改革なんて無理です。

 

 

だからこそ、パラグアイの人たちにはプライドを捨てて、お互いが協力し合ってほしい。

個人のチームだけでなく、全体が強くなるような意識を持ってほしい。

そう思っています。

 

2017年9月から南米パラグアイで青年海外協力隊の陸上競技隊員として活動中。大学ではスポーツを専攻。日本でコーチング後、パラグアイでナショナルレベルまでの選手の育成強化・競技の普及活動、及び小学校体育教育を行っている。
趣味はカメラとトレーニング。ブログとSNSの更新頻度は多め。

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ABOUTこの記事をかいた人

2017年9月から南米パラグアイで青年海外協力隊の陸上競技隊員として活動中。大学ではスポーツを専攻。日本でコーチング後、パラグアイでナショナルレベルまでの選手の育成強化・競技の普及活動、及び小学校体育教育を行っている。 趣味はカメラとトレーニング。ブログとSNSの更新頻度は多め。