2019/2/19の記録
トップ選手に限ってですが、最近、選手とカウンターパートの会話が増えた気がします。
今までも会話はありましたが、話はほとんど世間話。悪くはないですが、世間話によって練習のポイントがずれてしまうということが多々ありました。それも「緩くやる」というパラグアイの文化なのかもしれませんが、陸上競技という競技スポーツをやっている以上は競技力向上のために外してはならないポイントはしっかりやるべきです。
もうすぐ試合が始まりますが、今まで鍛錬期で選手もカウンターパートも新しいことに挑戦してきました。だからこそ、トレーニングの考え方やプランについて話をする機会が増えたのかなと感じています。
首都にはたくさんの指導者と競技者がいるものの、多くの競技種目で国内記録が更新されずに停滞している状況です。パラグアイの周辺国が南米や世界で活躍してきているのに、パラグアイだけが取り残されるわけがないのです。
もちろんパラグアイと他国では文化が違います。教育、食事、考え方、生活習慣、全て違いますが同じ人です。でも競技者は他国と同じようにトップを目指すチャンスがあるわけです、同じ人間だから。
他国よりも指導者や選手、情報量が少ないのであれば、その状況にあった戦い方をすればいいだけです。情報が少なければ探す。探せなければ考える。考えることが難しければ他人と情報を共有する。その共有手段が「会話」です。
他国の各指導者が80の知識を持っていていてパラグアイの各指導者が30しか知識を持っていなければ、パラグアイは30+30+30=90のような戦い方をすればいいのです。
この情報共有は、別に指導者同士ではなく選手と指導者でも言い訳です。なぜなら指導者は選手の運動感覚を完全に理解することが難しいからです。指導者が持っている知識や目的量100を選手が30しか共有できなければ選手のキャパシティ向上には到底繋がりません。選手と指導者の会話のメリットは情報量を増やすことや共有することの他に「選手の選手としてのキャパシティを上げる」ことも挙げられます。
選手が納得しなければ指導者としっかり話し合いをして、納得した上でトレーニングをする。指導者の考えていることを選手にしっかりと理解してもらう。指導者が伝えたいこと100を選手が100理解できるような環境を作る。
これがぼくが目指す協力隊活動の目的です。
強くするために練習プランの改変やぼく自身がパンパワーで多くの選手を指導することも可能ですが、本質的にはそれでは強くなりません。なぜなら一瞬で強くなってしまったら現地の指導者や選手がなぜ強くなったのか完全に理解することができないからです。現地の人が魔法のように感じてしまったらそれは成功とは言い難いのかなと思います。
小手先のテクニックではなく、本質を見てプロセスを考える。
これがとても大切だと思います。

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