2019/7/31の記録
【天井にタッチできるようになった】
— 大村康太@プロコーチ (@KotaOhmura) July 31, 2019
4週間実家に帰っていた選手にテストさせた。4週間前は届かなかったけど今日は3回中3回タッチできた。これが成長。筋トレの効果は3ヶ月後?嘘だからね(笑)やり方の問題だよ。
そして何より、跳びながら笑ってる彼女。この「楽しい」が一番大切じゃないですか? pic.twitter.com/DiI0lDi5Fu
帰省していた選手が約1ヶ月ぶりに首都に帰ってきたのでジャンプのテストをさせました。
テストとは言ってもただ高く跳ぶというもの。垂直跳に近いシンプルな動きのテストです。
彼女が帰省する前、2試合出場したのですがどちらも結果が振るいませんでした。自己ベストを更新したもののいい条件をうまく利用できず、狙っていた11秒台も達成できなかったので彼女はとてもがっかりしていました。それらの試合が落ち着いて彼女自身も今後どうすればいいのか整理できたところで4週間ジャンプトレーニングをしてもらいました。
やり方は簡単。ウエイトトレーニングなど普段やっているトレーニングのほかに数回ジャンプするだけ。これを4週間やってもらって結果を比較しました。
- 前回…届かない
- 今回(4週間後)…100%届く(3/3)
ということでたった4週間のトレーニングでしたが運動パフォーマンスを向上させることができたんですね。
このトレーニングをすることで100%運動能力が向上すると確信していたので選手に取り組ませていました。この経験を通して、
ある目標に対して継続した正しいトレーニングができればすぐに運動能力を向上させることができる
ということを伝えたかったのです。
5月の南米大会から6月終わりまでの3試合で思い通りの結果を残すことができなくて焦っていた選手。でも、11秒台で走る能力を持っていてもメンタルに問題がありました。
11秒台で走ると心に誓って走っても11秒台で走れない日々。練習しても結果が出ない。そういうのって習慣になってしまうんですよね。頭では練習をすれば結果が出るというのを理解していても身体がブレイクスルーを起こさないような状態。
これが重い癖になる前に改めて「継続したトレーニングができれば運動能力を向上させることができる」という当たり前のことを体験してもらったということです。身体で理解するためです。
今回4週間で実際に運動能力を向上させることができたという事実を身体が覚えることができました。
巷ではよく「筋トレは3ヶ月しないと成果が現れない」と言われていますが、それは正しくもあり誤りでもあります。
例えば今回のように天井にタッチするのが目標の場合、おそらくただスクワットをやって筋力を高めてもジャンプする練習を一切しなければ3ヶ月たっても天井にタッチするのは難しいはずです。それはスクワットの練習をしていてもジャンプの練習をしていないからです。そうなると練習(スクワット)をしていてもジャンプが伸びない、あぁ成果が出なかった、となってしまいます。
逆にスクワットなどの筋力トレーニングを一切行わずにジャンプだけしていたとしてもジャンプ力を伸ばすのは難しいはず。スクワットばかりよりかはジャンプ力は上がると思いますが、より高くを考えたときに身体的な土台がなければ高く跳ぶことはできません。いくら跳ぶ能力があってもその高さを跳ぶに見合った身体の準備がなければ跳べないということです。
つまり、ある目標に対して正しいトレーニングができたかが重要ということです。トレーニングに誤りがあれば当然結果は「筋トレしたけど結果が出なかった」になってしまいます。逆に適切なトレーニングを積むことができたらその運動を成立させるための身体のシステムが向上して目標を達成することができます。つまり「筋トレで成果が出た」になります。
これを陸上競技で言い換えると「11秒台で走るためのトレーニングや準備ができていないと11秒台で走れない」になります。当たり前ですがこれに気づいている人は少ないです。
要は、「筋力トレーニングをしても結果が出ない」状態になっている人はある目標に対するやり方が間違っている可能性があるということです。高いレベルの人は何ヶ月もかけて機能を改善していく必要がありますが、子どもやレベルがそれほど高くない選手は筋トレやトレーニングの3ヶ月理論は当てはまりません。
今回は選手に記録を向上させるためにはどのようなことが必要かを理解してもらうために実際の体験を通して運動能力の向上を実感してもらいました。
記録が伸びない状態が癖になる前に、実際にいい体験をしてもらうことは大切だと思います。

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