パラグアイの任地サンタロサに到着して約1か月。
ある日は小学校に行って体育の授業の補助をし、基本的には月曜から金曜の午後は陸上クラブの練習を見ています。
もう毎日スポーツに関わっている状態です。
おまけにコミュニケーションは当たり前ですけど全てスペイン語。濃いです(笑)
珍しいのかわかりませんが、ぼくはカウンターパートの家にホームステイをしています。
なのでいつも活動についての話をしやすい状況なんです。
そんなある日、パパでもあるカウンターパートが突然ぼくにこう言ったんです。
「空家をジムにするぞ!」
こうして「サンタロサの空家をジムに改築」プロジェクトが始まったのです!
1.サンタロサの空家のスペック
まずは、田舎町サンタロサの空家のスペックを紹介します。
この空家が後にジムになるはず!?

外観からして想像以上の空家感です(笑)
外壁もペンキが剥がれ落ちているし、木のドアも下の部分が削られているので小さな虫であれば全然通行可能な状況になっています。
入口の裏に回ってみると広い庭があったのですが、そこにはしばらく誰も手をつけていないカオスな光景が待っていました。。

まずは当たり前ですけど草がボーボーです。当たり前なんですけど、「あぁ、これからここ全部きれいにしないといけないのか・・」とちょっと思ってしまうくらいに草がボーボーでした(笑)
そして写真の中央に写っている物体、何かわかりますか??
まさかの「印刷機」です!もちろん壊れているのですが、こういうものでさえも放棄してしまう文化があるから、パラグアイでの「ゴミホイホイ」はなくならないのかなと思います。
そして外にある水回り。

周りにコケが生えすぎていて「もののけ姫」感が半端ないのですが、もしジムにするのであれば水回りの整備は必要です。
今はまだ汚いし優先課題ではない気がしますが、ここもあれこれやらなければならなそうです。
中はというと、大きな部屋が一つ、そして一人部屋くらいの大きさの部屋が4つ、あとはトイレがありました。


しばらく手付かずだったということは写真を見てもらえればわかってもらえると思います。
とにかく中は誇りやら葉っぱやらでカオスな状態。
特に一人部屋っぽい部屋は日本とは違って床はタイルではなくてレンガ作り。なのでほうきで掃いても掃いても土が取れない、埃まみれ、そんな感じ。
部屋が多いのは別にいいのですが、その一つ一つを全てきれいにして設備を整えて、と考えるとやることはたくさんありそうです。
こんな感じで、パラグアイの田舎サンタロサの空家は放置期間が長かったからなのかわかりませんが、ものすごく汚いです。
ただ、既存のものを再利用して自分たちが必要としているものを自分たちで作るというのは大切なことだと思います。
ないものを羨ましがるのではなく、なかったら今あるもので自分たちで何とかする。
もともとカウンターパートの提案で始まったものですが、こういうった精神って青年海外協力隊にとっても大切な考え方だと思います。
2.一本のほうきのみで一軒家を掃除しようとするパラグアイの人々
そんな素敵な考え方を持っているパラグアイの人たちですが、いざ掃除をしようとすると途端に要領が悪くなってしまいます(笑)
もともと空家を掃除して新しくジムを作るということは、空家の掃除は必須なわけですし汚いだろうということも想定内。
それでもパラグアイの人たちが今回の活動に準備してきたのはたってこれだけでした。。

15.000は日本円で約300円。新しいものを1本買って2本体制で掃除したほうが効率もいいと思った。
途上国のほうき、というよりは年季の入ったほうき。たったこれ1本でたくさんの部屋を掃除しようというわけです。
今回参加してくれたのはぼくとカウンターパート、中学生の選手3人の計5人。対してほうきはこの1本。
水もありません。軍手もありません。
1人がほうきを使って掃除をしている間は案の定暇タイムです(笑)
お気づきかと思いますが、上の写真の奥にスピーカーがあります。掃除道具は十分に準備しませんがこういうのはしっかり準備してきます(笑)
まぁ、そのおかげでラテン系の明るい音楽を聴きながら楽しく?掃除できたのでそれはそれでいいのですが。。
一人が掃除している間はほかの人はやることがありません。そして全然掃除しない子もいるんですね、やっぱり。
だけどパラグアイって活動をしていない人たちを非難しないんです。
「それぞれがやりたいからやっている」
「やっていない人は自分が必要だと思ったときに手伝う」
そんな感じです。

ほうきが一本しかないから、使っていない人たちは暇タイム。
手伝わない人を非難することもなく、ただその人たちといる時間を長いことかけて楽しんでいる。
そんなパラグアイ人の時間の使い方って日本人からしたらものすごくスローに感じるかもしれないし、効率悪すぎでしょ?と思ってしまうかもしれません。働き者からしたら「早くやれよ!」と思わずにはいられないスローさですから(笑)
だけど、「みんながやらなければいけない」という考え方の縛りがない、そんな考え方をもとに互いに協力するのもいいとぼくは思います。
だって誰かが掃除してる時に暇過ぎて自撮りしてますからね(笑)

まぁ、自撮りしている人を撮影したぼくももちろんこの時は暇タイムだったわけです(笑)
やらなければいけないっていう考えがないから切羽詰まった雰囲気もないし、「まぁ、この時間は適当に楽しみますか~」という感じ。
緩いし遅いけど着々と進むじゃないか!そう思っているのかもしれません。
3.もはやコウモリまでいる空家
緩い緩いと言いつつも、やっぱり女子中学生。気持ち悪い生き物がいたら自分たちは意地でも追い払いません(笑)
大きい部屋を掃除しようとしてそこに入ったところ、なんと3匹のコウモリが屋根にぶら下がっているではありませんか!!
まぁ、追い払うしかないですよね。見守る選手たち。。。
カウンターパート(先生)が一人でほうきを振り回して格闘しています。

お年頃の女子中学生にはコウモリはコ・ワ・イ♡
頑張れ!せんせい!
頑張れ!せんせい!!
恐怖を感じながらも笑いながらせんせいとコウモリの格闘を見守る中学生たち。彼女たちは笑うことと逃げることしか頭にありません。

がんばれ!せんせい!!
そしてお気づきでしょうか?
撮影者のぼくの手前に中学生たちとせんせいがいるということは、ぼくは一番後方、いつでも逃げれる場所に立っているということです。
がんばれ!せんせい!
がんばれ!せんせい!!
こう心の中で叫んでいたのは彼女たちではなく紛れもなくぼくだったということをここに白状します(笑)
ぼくこそが最初に逃げてこの恐怖から解放されたい。ぼくは正直です。
コウモリとか大嫌いです(笑)
日本ではコウモリが家に住み着くなんてシチュエーションってあまりないと思いますが、きっとパラグアイでは普通のことなのだと思います。
だから別に珍しくない。珍しくないからこそ嫌なことでも面白おかしいことに変換できるといいますか、そういう陽気な気持ちってすごいなぁと思いますよね。
きっと日本にいた時のぼくは「だれかがやってくれてるし見守らないとなぁ」とか思ったはず。けど、ここはパラグアイ。そんなの無しです(笑)
その他にもいろいろな場所を掃除しました。
入口前の芝生。
印刷機があった雑木林と化した中庭。

インスタ映えしそうだけど、現状では使いようがない、まるで芸術品。

空家はものすごく広くて掃除は大変だったのですが、1本のほうき、そして道具が足りないと気づいたのか後々近所から借りた道具を駆使して約4時間ほど掃除をしてこの人の活動は終わりました。
4.まとめ
このプロジェクトはもともとパパであるカウンターパートの誘いから始まったものです。ぼくからの提案ではありません。
ですが、現地の人が「陸上競技を強くするには必要だ」と思って自分たちから進んでやろうとした企画です。
前任のボランティアが赴任したときは今よりも陸上競技人口が少なかった。だけど、先輩隊員のおかげでサンタロサの陸上競技人口は増えている状況です。
このサンタロサで陸上競技をさらに発展させられるように、現地の人の想いを大切にしたいなと思います。
このプロジェクトがうまくいくかいかないかは正直わかりません。
ジムにするということは道具も調達しなければいけません。一人ではできないから周りの協力も必要です。
だからこそ、ぼくから選手たちを巻き込んでみんなでジムを作れるように、普段の陸上指導の時間の時からいい人間関係を築く必要があると感じています。
そして、パラグアイの人たちはやっぱり準備するのがゆっくりなので、空き時間があったらぼくから声をかけてプロジェクトを継続させたいです。
以上、任地に来て1ヶ月も経たないうちに始まった「サンタロサの空家をジムに改築」プロジェクト第一弾でした!
ちなみに次の予定は未定です(笑)
呼びかけしないとな(笑)

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