色々考えた末に、ついにマンパワーで一度選手のメニューを作ることにしました。
今まで全部カウンターパートに任せようと思っていました。チームを作っていくのは現地の人だから。だから現地の人で少しずつ変化を起こしていってほしいなと考えていたんです。— 大村康太@自己ベスト更新の先生 (@KotaOhmura) February 12, 2018
だけど考え方を変えました。
カウンターパートを立派なコーチに育てて、そこから何年もいい選手を育てていけるようにと思っていました。だけど、目の前には選手たちがいます。陸上不人気のパラグアイでも陸上をやりたい、強くなりたいと思っている選手がいます。— 大村康太@自己ベスト更新の先生 (@KotaOhmura) February 12, 2018
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メニューを作るからには選手たちの望みを叶えてあげたい。そこから陸上の発展に繋げていきたい。
マンパワーで心配なところもありますが、カウンターパートにも、そして選手にも真剣に向き合って、もっと陸上を好きになってもらってもっと想いを共有したいです。
— 大村康太@自己ベスト更新の先生 (@KotaOhmura) February 12, 2018
活動がスタートして4ヶ月目に入りました。
今までは陸上競技の活動に関しては極力あれこれぼくからは言わずに、まずは現地のやり方を見て観察することに徹していました。
現地のやり方を十分に観察することによって「本当の課題」が見えると思っていたからです。
そして、ぼくがマンパワーで活動してしまうと環境や状況が急速に変化してしまい、その変化が長期的に維持・発展できるか疑問だったからです。
だからぼくは、本当に必要最低限なことしか手をつけていませんでした。
変化を起こすならマンパワーでメスを入れてしまったほうが楽なのは確か。
ただ、ぼくはマンパワーで活動することに否定的だったのです。
どうしても現地の人が動くことで、目に見えないくらいの自然な変化を起こしてほしいと思っていたから。
見に見えないくらいの自然な変化っていうのはもはや筋トレと同じような感じで、そういう変化って長期的に継続して維持・発展できるものだと思っていたから。
だからぼくはカウンターパートには陸上競技の練習に対しては何も提案することなく、ぼくは練習の時に選手に対して技術的なサポートだけをしていました。
基本的なことは前任者が教えているし、あとは前任者ができなかったこと、かつ必要なことをぼくがやればいいかなと。
だから前任者が教えたことがしっかりできるように、それが定着するようにカウンターパートを見守っていたんですね。
だからマンパワーじゃなくてとにかくゆっくり、指導者が個人でできるように、
2年後にぼくがいなくなっても残る技術を継続・発展できるように考えてカウンターパートに対しては接してきたつもりです。
ただ、それだけでいいのかな?と思ったのです。
カウンターパートに対してだけのアプローチといいますか、カウンターパートだけに陸上競技に対して深みを出させていく、そういう方法もありだとは思いますが、もっといい方法はないのかなと。
自然な変化ということをテーマに活動してきましたが、カウンターパートへのアプローチだけで本当に長期的にこの地域へ陸上競技の文化が根付くのかどうか。
小さな変化を起こすことが大切だと思っていますが、カウンターパートをゆっくり見ている間にも日々成長している選手たちがそこにはいます。
成長期の子供たちが毎日過ごす時間は有限でとても貴重。
そういう選手をなんとなく雑に扱っているんじゃないかなって、きちんと向き合っていないんじゃないかなって思ったのです。
ただでさえ陸上競技不人気のこの国で陸上競技を好きでやっている子供たちです。彼らは競技レベルや考え方はまだまだかもしれませんが、間違いなくこの国、この競技の宝です。
その将来の卵を「長期的な発展のため」という理由で、なんとなく捨てていたような、そんな態度だったのかなと思うようになりました。
だから、一度ぼくの本心のままに向き合ってみようと。
もしかしたら外部から来た「指導者」という存在がカウンターパートにとっては煩わしく感じるかもしれません。
その可能性は無きにしもあらずだと思います。
だからこそ、ぼくはマンパワーでやるからにはきちんと自分がやったことをカウンターパートにも逐一フィードバッグして情報を絶対に共有する。
その練習の意義を分かるまで説明する(スペイン語下手だけど、それでも頑張る(笑))。
そういうコミュニケーションを大切にしていこうと思っています。
長期的な陸上競技文化の発展のためにぼくができることは、
- 現在の指導者の育成
- 選手の育成⇒将来の指導者の育成
の2つがあるということに気づきました。
そして(2)の選手育成は、陸上競技の面白さや努力することの楽しさを感じてもらえることができる重要な項目です。
強くなるだけではなく、陸上競技の面白さを感じてもらうことも重要なことだし、ぼく自身もやりたいと思っていることです。
もともとぼくは青年海外協力隊を受験するときに、とにかく「選手の育成」をしたいと思っていたので、今のぼくの任地は第一希望ではありません。
選考の末、敗れました(笑)
だから、最初は選手に結構指導していたのですが、任地にやってきて現状を把握するにつれてだんだんとぼく自身が指導することがいいこととは思えず、カウンターパートに任せてぼくはサポートに回りました。
そこから更に考えることがあって、今回このようにまた自分が指導するというスタイルをとることにしました。
青年海外協力隊の要請書には書かれていない「本当の問題」を探していく中で、ぼくが本当にやりたいと思っていることが見つかりました。
本当の問題に直面した時に、ぼくがやるのか、それとも現地の人がやるのかという2通りがあると思うのですが、ぼくは「マンパワー」で活動することを選びました。
正解はありません。
マンパワーで活動した結果もまた長期的な陸上競技の発展につながるのであればそれでいいと思っています。
大切なのは「目的を達成すること」。
たとえ目的を達成するための手段が「マンパワーでやる」であっても、そのなかで密なコミュニケーション、伝達ができれば問題ないのかなと思っています。
現状を見てもどかしいと思うばかりでただただ時間だけが過ぎていくのは、陸上競技を一生懸命にやっている現地の人達にとっても申し訳ないしもどかしい。
だからぼくはまず「マンパワー」で活動して、結果を出すことを目標に掲げました。
今目の前にいる選手の力を最大限に発揮させる。そして、その育成方法をカウンターパートと共有する。
メスを入れるのも勇気が必要ですが、何か状況を変えるには時としてマンパワーになってもいいのかなと思います。

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