2019/4/4の記録
選手のパラグアイ記録を更新した記念に。ぼくは立場的にはサポートなのに実質的には彼女を動かしている感じになっている。まぁ、こんな形もいいのかもしれない。
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) April 4, 2019
ぼくは現場指導、右となりは全体の計画、一番右はフィジカル担当。
ぼくがもつ数少ない写真に新たな1枚が加わった😁 pic.twitter.com/8w8fyguRit
練習を始める前にパラグアイ記録更新を祝ってチームで写真撮影。まだシーズンが始まったばかりでこれからですが、次はいつチャンスが来るかわかりません。また、選手もパラグアイ記録を更新したということに対して自信をもつためにもチームでそろって写真を撮りました。
12秒15という記録は別にすごい記録ではありません。でも彼女にとっても、パラグアイ陸上競技にとっても意義あるものなのです。
階段走後の彼女の60m(90%くらい)では股関節での切り返しが大きくかつ力強くなった。彼女自身も「リズムは今日は遅かったけど、ストライドが伸びた気がする」と言っていたけど、これからこのストライドを維持したままピッチを出せる走りに近づけていく。
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) April 4, 2019
まだまだこれから調子は上がっていく。 pic.twitter.com/O9C7v92sXd
写真撮影のあとは普段通り練習を行いました。最初に今まで取り入れてこなかった階段走を行い、そのあとにトラックで走練習を行いました。
彼女の本当のコーチであるキューバ人コーチは「コンクリートの階段走は叩く動作があって足に負担がかかるから今まで階段走をやってこなかった」と言っていましたが、目的を正しく認識して体の使い方に着目してトレーニングすれば得られるメリットの方が大きいと考え、今回は彼女に試してもらいました。
確かにコンクリートで走ったときの負荷はトラックや芝と比べて大きいから怪我のリスクが上がるというのは本当の情報ではありますが、制限ばかりかけてしまうと選手ができるトレーニング種目がどんどん少なくなってしまいます。個人的にはいろいろな種目を試す中で体の使い方を学ぶことが大切だと思っているので、本当に危険な種目はやらせませんが積極的にいろいろなことを試してもらっています。そっちのほうが選手も飽きが来ませんからね。
階段走では股関節を大きく使って爆発的な切り返しを意識するように指導しました。彼女の動きの長所は動きの大きさです。でも調子が悪い時の走りは中心が動くというよりもひざ下から振り回されるような走りになってしまいます。なので、
- 体の中心から大きな力を発揮するために股関節を大きく使う
- 接地時はポンと跳ねるように
- 大きい動きの中でリズムをつかむ
これらを目的にして練習を行いました。まだ練習に慣れていないのでうまくできませんでしたが、新しいトレーニングで実際の走りとの感覚の違いを認識できたはずです。
その結果として階段走後の60m走では身体を大きく使うことができ、また膝ではなく股関節でしっかり挟み込みができる動作になったのでタメの局面も生まれました。もちろんまだまだ試行錯誤して動きの質を高めていかなければいけません。でも、今日の練習では実際のメイン練習の前に意識付けや正しい動作が導き出されるようなドリルをしたことで走りの感覚が変わったということを認識できたことが収穫です。速く走る練習は別のとき。今日の練習は
ドリルが実際の動きに与える効果
を学べたので100点です。
彼女自身も日々新しいことを学べていることに満足しています。満足感と競技成績は比例関係にはありませんが、少なくとも満足もせず記録が出ないよりは陸上競技をやっていて楽しいはずです。まずはなにより陸上競技を楽しむことの方が個人的には大切だと思っています。それがたとえトップの選手であったとしても。
学んでその結果として記録が伸びていけば、これほど嬉しいことはありません。結果として選手のモチベーションも上がります。南米大会の選考試合まで残り約1ヶ月。うまくトレーニングを積んでいけるのではないかなと思います。

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