カウンターパートが選手にスタート技術を教えていた。まだ指導の仕方が丁寧ではないから試行錯誤の中だけど、たしかにぼくが教えていたことを盗んで自分のものにしようとしている。
教える。見守る。盗ませる。
伝え方にはいろいろな方法があるんだなぁ。
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) 2018年11月25日
パラグアイの選手のスタートを見ても、ほぼ全ての選手が効率的なスタートをしません。
トップ選手であっても生まれたての子鹿のようなスタートをします。
これはぼくがパラグアイで気づいたことでビックリしたことです。
日本の選手だとスタートの技術に関してすごく細かく調整します。
膝の角度が何度だとか、飛び出しの角度が何度だとか、骨盤から押し出す押し出さないとか、最初の数歩の力感とか。。。
でも、パラグアイの選手は生まれたての子鹿スタートから「がんばる!」で走っていきます。
つまり戦略が0なんです。
これは記録を伸ばす上で大きな問題ですよね。
選手がこんなスタートしかできない大きな要因は指導者にあると思います。
やっぱり指導者が選手の全てを握っているので。
そんなことで、結構前にぼくがスタート技術を教えているのをカウンターパートが見ていたんです。
そして、その技術をほかの選手に自分から教えていました。
もちろん後からこの動きやこの角度にはこういう意味があるというのは説明しましたが、ぼくが自分の指導を見ろと頼んだわけではありません。
自分から見て学ぼうとしていました。
この「技術を盗む」というのが競技者も、そして指導者も本当に大切な能力だと思います。
プライドが高い、あるいはそもそも陸上競技にそんなに意欲的でない人は他人のことすら見ようとしません。
これもパラグアイ陸上競技の問題ですが、カウンターパートは指導がまだ足りないところがあるけど、それでも少しでも良くしたいというきもちが伝わってきます。
うれしいです。
ぼくの技術がどうこうじゃなくて、技術の違いに気づいて、自分から選んで、そして教えるという過程がうれしいです。
正直、スタートのたった1歩目しか指導していないし、カウンターパートもそこからのつながりを意識した指導をしなければいけません。
100mは一瞬で終わる競技だけど、だからこそ戦略が必要です。
100mは1歩で終わりません。
その1歩が次の1歩に繋がらないといけません。
ようやく、技術的に細かいところを指導できたということで、これをなんとかカウンターパート自身がこれからも継続してやっていってほしいと思います。

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