2019/3/5の記録
- 2月・・初戦
- 3月・・試合
- 4月・・南米大会選考試合&リレー練習?
- 5月・・前半シーズン最後の大会(首都アスンシオン)&南米大会(大人)
- 6月・・南米大会(20歳以下)&ミニ鍛錬期開始
- 7月・・北中米大会選考大会(大人)&リレー練習?&北中米大会(20歳以下)
- 8月・・北中米大会(大人)
- 9月・・試合、世界大会?、協力隊終了
- 10月・・パラグアイ全国大会、クラブ対抗試合(シーズン終了)
(上記期間中にチャコ地方への出張?)
上記日程が2019年のパラグアイ陸上競技の試合スケジュールです。
ぼくは協力隊としてパラグアイに行く前に先輩隊員の過去の報告書を読んでいました。その中で「試合数があまりない」という情報を目にしていましたが、実際に活動をしていると小さな大会も大きな大会もしっかりと過不足なく開催されているように感じます。もちろん過去の先輩たちの時代と今はまた違うので、パラグアイ陸上競技連盟がしっかり機能してきた結果とも言うこともできます(過去の報告書によると、やはり金銭の問題などいろいろあった模様)。
大雑把にスケジュールを書きましたが、この他にも子どものための試合や18歳以下の試合なども開催されているので、実際は月に2~3試合行われている状況です。
日本と同じように大体3月~10月まで試合がありますが、大きな違いは季節です。日本は日本選手権やインターハイが行われる6~8月は夏で気温も高くて記録が出やすい。そしてそのような状況で世界選手権やオリンピックなどの選考が行われます。対して、パラグアイは3月~5月が夏で気温が高く、記録が狙いやすい季節になります。つまり鍛錬期が終わってからすぐに記録を狙わなければならないという、競技力が高くないパラグアイにとってはとても厳しい状況があるのです。
例えば日本であればシーズンが終わって11月から鍛錬期に入った場合、日本選手権までほぼ調整を入れなければ11月~6月(日本選手権直前)で約7ヵ月間じっくりと練習を積むことができます。でもパラグアイでは11月から鍛錬期を始めると11月~3~5月となり、実力をつけるための期間が短くなります。さらにパラグアイの鍛錬期は真夏。40℃になるのが普通の国で量を積むというのが日本以上に難しいのです。そして5月以降も一応試合はあるものの冬に近づきガクッと気温が下がるため、実質的に記録を狙えるのは夏の暑さが落ち着く5月までとなります。
よって、日本の鍛錬期の考え方をそのまま取り入れるのはかなり難しいです。できないことはないですが、相当計画的にトレーニングをしなければ暑い中厳しいトレーニングをする選手の大きな負担になってしまいます。
パラグアイには国際陸連の指導者資格を持つ指導者がたくさんいますが、その理論に基づいてトレーニング計画を立てているように思います。しかし、それがパラグアイに適したものなのかは疑問。陸連が発信するトレーニングについての情報が果たしてパラグアイにも適用できるものなのか、それはパラグアイの状況をよく観察して熟考する必要があるように感じます。
- 寒い時期にスピードを落として量をこなす→土台ができる→暑い時期にスピードを出す
- 暑い時期にスピードを落として量をこなす→土台ができる?→寒い時期にスピードを出す
パラグアイは2の方法をとっています。これも結局は試合のないシーズンに土台を作らなければいけないという一般常識を完璧に信用しているからなのでしょう。
一番最初に示したとおりですが、パラグアイと日本は試合シーズンは概ね同じですが季節が違います。条件が違うのであれば常識的に考えられているアプローチを再考する必要があります。パラグアイはこの部分が足りない気がしますが、まずは今シーズンがどのようになるか、ボランティアとして見守ります。

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