2019/2/23~25の記録
シーズン初戦、選手たちはいいパフォーマンスを発揮してくれるだろうか。
そう思うのはぼく自身の活動が充実していたと感じるからです。充実感を感じていたとしても結果が伴わなければそれはやったふりでしかありません。鍛錬期中は試合がなく、選手は約4ヶ月の練習の成果を試す試合です。選手も、そして指導者も初戦は緊張します。
今回の大会はカウンターパートはテストみたいな位置づけとして捉えているけど、いい練習ができていたら調整なしでも自己ベストは出るのかなと思っていました。というのは、パラグアイの初戦は夏真っ盛りの時期に行われるため気温が高いからです。風次第では初戦から好記録が出る、それがパラグアイの試合期序盤です。これも日本とは違いますね。
【16歳の女の子も順調に成長中!】
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) February 9, 2019
彼女は別のコーチが見ているけど、ぼくは去年のリレーでの関わりもあってたまに技術指導している。かなりいい走りをするから、条件次第では彼女も11秒台で走れるんじゃないかなと思ってる。
今年はトップ選手の多くがいい成長を遂げるんじゃないかな! pic.twitter.com/HXe3e9qvDE
シーズン前に見ていた選手も16歳ながらも国のトップ選手として昨シーズンは活躍していました。彼女も鍛錬期は怪我なく練習をすることができたので、シーズン初戦は条件次第でいい記録が出るかなと予想していました。
さて、初戦の結果はこちら。
- 男子やり投げ 59m68 ※自己ベスト
- 女子100m 12秒06(+3.0)※現パラグアイ記録は12秒22
- 女子200m 25秒30(+1.9)※18歳、20歳以下のパラグアイ記録更新
- 女子100mH 14秒89(+2.7)※追い風参考での自己ベスト(混成競技の選手)
カウンターパートやぼくが見ていた選手は条件のよさも助けになっていい記録を出すことができました。
走種目に関しては女子100m200mの16歳の女の子以外は男女とも普通の結果になりました。というのはパラグアイの鍛錬期も日本の冬期練習と同じでスピードをガッツリと落として量をこなす練習をするからです。そのため、試合前に十分な刺激が加えられておらず結果的に普通の記録になってしまったと考えられます。
これがいい悪いではなく、日本とは違うパラグアイの鍛錬期で得られた貴重なデータになりました。当たり前かもしれませんが、暑い時期でスピードが出やすくても練習次第では日本の冬期練習明けのような試合結果になってしまうということがわかりました。日本とは条件が違うからこそ、同じ鍛錬機という名前であってもやり方をパラグアイの地理を最大限に生かす工夫が必要そうです。
試合の雰囲気は明らかに変わったなと感じました。
昨年は任地変更で首都での活動をスタートしたので、シーズンの後半の試合状況しか知りませんでした。昨年の練習や試合の状況は競技はやりつつも雰囲気的にはどこかのんびりしていて競技を追求する姿勢が薄かったです。それが今回は初戦にも関わらず「記録を狙おう」という選手が何人もいました。競争力が増した、という感じでしょうか、そういう雰囲気が出たのはとてもうれしかったです。
また、一生懸命に練習をしてきた選手が自己ベストを更新したというのもうれしかったです。真面目で面倒見のいい選手だからこそ、自己ベストで努力が報われてよかったです。ぼく自身が怪我の影響と知識や練習不足で自己ベストを更新できない期間があったからこそ、数年自己ベストを出せない苦しさを理解できます。伸び盛りのときに自己ベストを更新できないのには必ず理由があって、それを鍛錬期で選手と一緒に探し、解決してきた結果です。プロセスの充実が自己ベストの更新につながることをこの選手も感じてくれたと思います。
初戦が終了してとりあえずホッとしています。選手がある程度の結果を残すことができたこと、そしてカウンターパートと選手が取り組んできた新しい取り組みが実を結んだことで、今までの彼らの努力が肯定されました。

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