2019/3/3の記録
カウンターパートが指導しているやり投げの選手が自己ベストを大幅に更新することができました。
- 58m?(昨年までの自己ベスト)
- 59m68(初戦で自己ベスト更新)
- 64m08(シーズン2試合目、自己ベスト大幅更新)
この選手はものすごくまじめだけど言葉がネガティブなのが難点だったので、「ネガティブなことを言うな」というアドバイスをしていました。
例えばぼくがこの選手に「今日の練習はどうだった?」と聞くと「いや、今日はダメだった」という返事がほとんどだったのです。自分に厳しく、というのはアスリートがより高いレベルになるためには必要なことかもしれませんが、あまりにも厳しすぎて自分のことを正確に評価できなくなるとそのネガティブな評価が自分の現在の姿になってしまいます。思考は行動になり、やがて習慣になります。常にネガティブな思考であればそれが習慣になる、ということです。実際は悪くないのに自分の判断基準が「0か100」。そうなると自分に厳しい人は常に最低評価を自分に与えることになります。その評価を毎日自分にしていたらどうでしょうか。ネガティブでは身体は反応しないですよね。
実はこれはぼくが学生時代に経験したからこそ彼に伝えることができたアドバイスです。ぼくも学生時代は完璧主義で、まさしく「0か100」でした。当然完璧主義の人間は完璧にできなければ自己評価は0です。完璧にできないからこそ練習をするのに常にやること全てに完璧を求めていたら、それは練習とは言えません。練習をして失敗と成功を繰り返すことで完璧(理想)に近づいていく、これが練習です。ぼくはこれができませんでした。結果、常に悲観的で、トレーニングをしていたのにも関わらず記録も向上しませんでした。試合の時に自分で「ダメだ」という暗示をかける習慣ができていたのです。
メンタルは日々の言動の影響が大きいです。真面目な選手ほどいつもダメと言ってしまうので、今回は彼にその言動を禁止してもらいました。具体的には「今の動きはどうだった?」と質問した時に「ダメだった」ではなく「○○だったからダメだった」「あまりよくなかったけど○○はできた」「○○だったから次はここを少し変えてみよう」というように、自分の説明を具体性を持たせたり、あるいは結末をポジティブにさせたりしました。つまり、ダメだけではなく冷静に自己分析して次にやらなければならないことを的確に見つけることが目的になります。各試技ごとに「ダメだ」という思考停止ではなく自己分析をしてやるべきことが明確になれば次の試技に集中することができます。試合はダメなことを証明するための舞台ではなく、アスリートが今もっている自分の最大限のパフォーマンスをするための舞台です。
言葉はぼくたちが何気なく使っているものなので、普段はそんなに気にかけることはありません。でも何気なく使っているものだからこそ、その使い方が不適切なら言葉のもつネガティブな意味が日々の習慣、自分の姿になってしまいます。小さなことだからこそ大きいのです。
今回ぼくがやったことは「言葉を変える」だけです。カウンターパートが選手に提示するメニューには一切口出ししていません。
考え方、言動が変わるだけで結果が大きく変わります。
これを選手が誰よりも理解したのかなと思います。メンタルを究極的に鍛えるためにはもっとたくさんのことにアプローチしなければいけないかもしれませんが、ある程度のメンタルトレーニングであればまずは言葉を変えることが簡単で効果があるのかなと思います。
※その他、今回の試合で出たパラグアイ記録。ちなみにぼくも出場しました。
2試合目にして女子混成パラグアイ記録保持者が400mでパラグアイ記録を更新した🎉(56秒63)。
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) March 3, 2019
試合は跳躍にはかなりしんどいコンディションだったけど、短距離にはまずまずだった。
ハードルは少し教えたけど、まだまだ技術の改善の余地がある。彼女が1番パラグアイではオリンピックに近い選手。 pic.twitter.com/7q7L6FxLfv
【2戦目6m67(+1.4)】
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) March 3, 2019
※本当の記録は6m77(−1.4)
これ自体はいい跳躍ではないけど、今回の目標は6m70だったから合格点。
①頭部の位置
②空中動作をかがみ跳びっぽくする(踏切から空中動作に入っていて大きな減速&跳躍の頂点が作れていない)
③5%くらいリラックス
が改善できると思う。 pic.twitter.com/8aMAvxWXwl

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