2019/8/9の記録
【女子混成選手とのマンツーマン講義】
— 大村康太@プロコーチ (@KotaOhmura) August 9, 2019
来年の目標を定めて、そこにたどり着く基本的な練習や成長の考え方を教えた。
今年は4968点で来年は5568点が目標。いい目標設定だと思う。これが達成できたら日本の学生でもトップ3に入る。
努力できるし努力の仕方も正しいからたぶん近いところまでは行く。 pic.twitter.com/pIPt6p32xQ
女子混成競技選手と会議を行いました。
今年の最大目標であった南米大会で優勝。北中米大会は走り高跳びの記録なしが響き総合結果はよくありませんでしたが、今年の2つの大きな目標に対して最大限のパフォーマンスをすることができました。
これから2ヶ月の間にまだパラグアイの全国大会がありますがあまり重要な大会ではないため、少し早めに彼女の来年の目標設定を行いました。
来年、各種目でどれくらいの記録が出せるかのおおよその目安を彼女に提示したら、彼女も自分の掲げる目標を提示してきました。つまり、彼女自身は北中米大会が終わってすぐに来年の目標設定を自分でやっていたということです。北中米大会が終わって少し彼女自身にゆっくりしてほしかったから時間を少しおいて会議を行いましたが、まさかすでに目標設定をしているとは思っていませんでした。驚きました。
彼女の来年の目標は以下のとおりです(左2019年、右2020年)
- 100mH…14.79→14.30
- 走高跳…1.57→1.62
- 砲丸投…10.88→12.00
- 200m…26.13→25.60
- 走幅跳…5.65→5.90
- やり投…43.43→45.00
- 800m…2.27→2.22
合計…4986→5568
正直、これは全然難しくないと思いました。簡単とも言えないけど実現可能な目標設定です。
全体的に見ると走力アップが絶対条件になります。正直今の彼女の走力は全く足りません。遅すぎです。でもこの遅すぎるという条件があるからこそ伸びしろということもできます。彼女もそこは理解しています。
100mHだっていくら技術があったとしても競技の本質は「早くゴールにたどり着くこと」。技術があってもスピードがなければ本質を突いた練習にもなりえません。フィジカルがあって完成される技術もありますからね。フィジカル(走り)がよくなれば来年も飛躍的に成長できる可能性は十分あります。
【選手に教えた「大切な試合でのコンディションのピークの作り方」】
— 大村康太@プロコーチ (@KotaOhmura) August 9, 2019
➡️実力−疲労=試合での能力
例えば実力が100あっても疲労が40あれば試合のときには60の力しか出せない、といったイメージ。
本当はもっといろいろなことが影響しているけど、自分で扱う分にはこの簡単な考え方で十分。 pic.twitter.com/wSSppIbPLz
また、選手には目標設定だけでなく「ピークのつくり方」について説明しました。ピークのつくり方というか調子の上げ方ですね。
難しく説明してもイメージがつかないので簡単さを大切にしました。ツイートに書いてあるとおりなのですが、コンディション管理は
実力-疲労=試合での能力
を意識しなさいと伝えました。
簡単に言うと、試合でのパフォーマンスは実力100からの引き算によって決まるよ、ということです。
これだと選手は理解しやすい。選手は
- 日々の練習で頑張るのは【実力】を伸ばすため
- 実力を伸ばすことができたらあとは難しいことを考えずに実力を維持しながら疲労を抜けばいい
この2点を押さえるだけでいいのです。
もちろん試合の結果は気象コンディションや雰囲気によっても左右されます。でも大きな大会で大切なのは記録よりも「勝つこと」。だからこそ、どんな状況でも自分がコントロールできる「実力-疲労=試合での能力」を完璧にできるようにしておけば準備としては万全なわけです。
いくら理論的に正しくても難しすぎたりそれができなかったりしたらまるで意味がありません。これがパラグアイ陸上競技の大きな問題。
資格が大切だと言いながらそれを全く指導現場に活かすことができていません。指導者それぞれなので別にいいのですが、やはり言葉と行動が違っている指導者を見ると少し残念な気持ちになってしまいます。というのはその指導を受けるのは指導者ではなくて選手だからです。
簡単なことでも確実にできたほうがいい。これは間違いありません。
応用的なことや複雑なことをやったほうがかっこいいとかそういうのは一切ありません。パラグアイにはそういう側面があるからいつまでたっても強くなれないんですよね。これは言っちゃ悪いですが断定できます。
練習にかっこよさは必要ない。競技で上を目指す選手にとって練習は強くなるための手段です。いくら完璧な理論だとしてもそれを操る指導者がその本質を見抜いていなければ絶対に選手は強くなりません。
そんなことでぼくはできるだけ簡単にを心がけています。
簡単でも本質を突くように。これが大切。
簡単だから実際に取り入れやすいですし。実際に取り入れやすいということは行動が早いということ。行動の早さと効果を体感できる速度が上がればどんどん成長していけるんですよね。
今年は飛躍の年になった混成競技選手。
来年の目標である5568点は日本選手権でトップレベルの成績ですが成し遂げられる目標だと思っています。
