2019/7/11の記録
カウンターパートがこの選手のことを「難しい選手」と言っていたけど、まぁ分からなくもないけど、しっかり接すればそんなに難しい選手ではない。
— 大村康太@プロコーチ (@KotaOhmura) July 11, 2019
動画を撮って見せれば食いつくように見てどうすればいいか知りたがる貪欲さを持ってる。結果を求めるタイプには結果で示せば選手はついてくる。
2年前に100mで南米チャンピオンに輝いた選手がケガから復活して本格的にトレーニングを再開しました。
2年前は当時16歳。自己ベストは10秒80。
当時はバスケットをメインにやっていたので陸上競技はおまけ程度でやっていたと聞いています。陸上の練習はしてないけど足が速いから試合に出て国の代表になって南米で勝ってしまったという選手です。
2018年シーズンも春先は試合に出ていたのですがすぐにアキレス腱痛を発症してしまい、そのシーズンは試合に出場せずに終わりました。トレーニングはカウンターパートがメッセージで送っていた筋トレだけ。
ぼくも16歳の時にアキレス腱痛もちになってからうまく治すことができずにここまできたので、アキレス腱痛の辛さは痛いほどわかるんですよね。
走れてしまうんです。そして走っているとだんだん痛みがなくなっていくんです。でも次の日に歩けないような痛みに襲われます。でも痛みをこらえて気合を入れるとそれでも走れてしまう。そして次の日に動けなくなってしまう。この繰り返し。
彼は2018年シーズン早々に無理せずに練習を切ったことが功を奏したと思います。今は特に問題なく走ることができるようです。
走りにはややぎこちなさはあるものの、ダイナミックに走れるのが彼の特徴。とてもシンプルに走るんです。
まだ荒削りではありますが、来年度は世界ジュニアもあります。今復帰して今年どれくらいまで戻るかわかりませんが、今年彼の自己ベスト10秒80を更新できるようであれば世界ジュニアは十分に狙えると思っています。
昨年も世界ジュニアに出場した選手がいたのですが、その選手は標準記録を破って出場したわけではありません。推薦枠というやつだと思います。当然予選落ち。
今回はカウンターパートの選手ということもあってぼくが練習を見ることもできるので、この選手には標準記録を破って世界へ挑戦してほしいです。
【パラグアイの宝が首都に住むことになった】
— 大村康太@プロコーチ (@KotaOhmura) May 29, 2019
経緯はよくわからないけど、違う地域にいた選手が首都に引越してきた。彼はまだ高校生で骨格が大きく、何もしなくても他人より力が強い、いわゆる才能を持ち合わせた選手。だけど彼もぼくと同じアキレス腱痛から復帰したばかり。長い目で見る必要がある。 pic.twitter.com/MSXZw3RYro
これは1か月前にトレーニングを再開し始めたばかりのとき。軽く跳んでも身体をうまく使ってバネのある跳び方をするんですよね。ここはやっぱりバスケットで培った体の使い方が役に立っているのだと思います。実際180cmそこそこでダンクもしてしまいます。まだ筋力トレーニングなどを激しく行っていないはずなので、本当に天性のもので動いているという感じです。
ぼくも彼の指導に関わることになりますが、あくまでもぼく自身はサポートとして指導します。特に復帰したばかりなのでやりすぎて怪我をしないように注意します。
注意するとはいっても、ぼくが少し怪しいなと感じたら彼と話をして彼がどう感じているかによって練習の判断ができるようになってほしい。だから基本的にはサポート。
怪我をせずにトレーニングを積むことができれば確実にパラグアイのトップになれる選手。まだ18歳で成長過程なので、目先の成果のためにきついトレーニングをさせるのではなく、まずは陸上を楽しく、そして継続できるようになってほしいです。これがぼくの願い。なぜなら継続できれば勝手に記録は伸びるし、記録が伸びればもっとがんばろうと思えるからです。指導者ががんばれというのではなく、選手ががんばろうと思えるような自発的な心が育ってくれればいいなと思います。

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