やり投げの教え子がグランプリ大会で優勝しました㊗!
記録は72m89。
17時40分からという遅い時間からの試合で疲労が心配されたけど、2週間で技術を改善できてあっという間に国のトップに返り咲かせることができました。
南米大会まで残り1ヶ月ですが、伸ばせるところを伸ばして優勝させます😎 pic.twitter.com/pFJ5XtYWd0
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) 2018年5月6日
72m89は昨年の日本選手権で8番に入賞する好記録。
72m台を一試合で複数回投げることができたから、確実に実力と技術が向上して、尚且つ安定してきている状態。やり投げをやったことがなくても全然指導できる。
ちょっとしたポイントなんですよね!
南米大会は76mを目標にします!— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) 2018年5月6日
こんなに記録が向上していますが、ぼくはつきっきりでは練習を見ていません。常に選手に考えさせ、練習させているので、ぼくはほんのちょっとしたことしか口にしません。毎日も練習見ませんし。
やっぱり自分でやれるようになるというのがすごく大切ですよね!
これからもこのスタイルは崩しません!— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) 2018年5月6日
怪我の影響で記録が思うように戻らなかった任地のやり投げの選手が、たった1ヶ月の指導でパラグアイのトップ選手に返り咲いた。
【72m89】。2017年日本選手権で8位入賞に相当する記録。30日後の南米大会に向けて、さらに記録向上を目指します。
任地の選手が1ヶ月の指導で国のトップに再び返り咲くことができた。
やり投げ選手の彼は怪我でずっと記録が低迷していた。
だから5月5日の試合までライバルに負けてしまって。
本当はライバルに簡単に勝てるはずなのに、怪我で技術が完全に狂って、動きも萎縮していた。
でも、やり投げをしたこともないぼくが彼の指導を1ヶ月したところ、昨年のベスト記録さえも更新する記録をたたき出して国のトップに返り咲くことができた。
怪我をするとどんなに強い選手でも体をかばってしまって本来もっている能力を発揮することができない。
その状態で試合に出て負け続けると今度は自信までなくなってしまう。
怪我からの克服というのは、体の調子が元通りになることではなくて「怪我という精神的な壁をぶち壊すこと」だ。
今回の国際試合で優勝できたのは、何よりも彼自身が制限をかけていたものを取り外すことができた結果。
昨年の自己ベストを超えるような投擲を小さな国際試合だけど、6本中2本も投げられたことは本当にすばらしい。
今回17時40分から試合が始まって、気温もパラグアイにしては少し肌寒く、そして風も強かった。
そんな少し難しい状況の中で練習通りの動きをすることはかなり難しい。
その練習通りの動きを見事にやってのけた。
そしていとも簡単に頂点に立った。

かっこいい。

まだブロック動作の技術ができていないけど、今はまだそれはいらない。もっと簡単なことを身につけてもらって自信をつけさせる。

指導している選手が頂点に立つほど嬉しいことはない。

ライバルへの雪辱は果たせた。次は実力の底上げだ。
普段めちゃくちゃ練習する彼は、逆に休養をとれない感じになっていて。
だから心技体のバランスが崩れていた感じを受けた。
ぼくはやり投げ選手ではないから専門的なことを指導することはできない。だけど、1ヶ月の間で基本動作や練習の基本的な考えだけを教えただけでこんなに成長することができた。
ぼく自身が専門分野外であったとしても、本質的に大切なことってある。それをいかに結果に結びつけて納得してもらえるか、ということを大切に指導してきた。
でも決してつきっきりで指導してきたわけではない。
ぼくは選手のやる気を尊重したいと思っているから。
自発的に動いて、その内的な動機づけがが試合での爆発力になると思っているから。
ぼくは、どんなに強い選手でもこのスタイルを崩すつもりはない。
選手にとってはやっぱり結果が全て。
いくら指導論を勉強しても成果が出なければ意味がない。
指導論は一般向けに平均化された方法論であるから、その基本をしっかり学びながらも各選手に合うようにしなければならない。
だからこそ、指導者は「オレはすごい資格を持っているんだ!」という慢心に陥るのではなく、常に対面している選手を見て、大切にするべきだと思っている。
強い選手だからその選手が全て、その選手しか見ないというのは確かに選手育成の上で大切かも知れない。
でもチーム全体を見ているとき、ほかの選手への対応をどうするかを考える必要がある。
だからこそ指導者が選手に依存する環境を作っちゃダメなのだ。
試合が終わったあと、パラグアイ陸上競技連盟の重要人物からも「彼のこと、ありがとう」と言ってもらうことができた。
それくらい彼はこの国の陸上競技界にとって大切だということ。
ぼくは投擲なんてやったことないけど、彼の指導をする以上、責任を持ってぼく自身も攻めの姿勢で挑戦する必要があると思っている。
こうしてほかの地域の指導者からも「彼の指導者はぼくだ」ということを認識してもらえたことは、今後の活動において絶対に役に立つはずだ。
ぼくが1ヶ月の間に彼にやったことといえば、
- 練習の時にそばにいること
- 自分が教えることができない技術以外のことをちょっとだけ教えること
これしかない。
あとは彼自身が理解しているから、ぼくがあれこれやる必要はない。
それが選手と指導者のいい関係だと思っている。
指導であれこれ縛り過ぎたら選手の個性を潰してしまう。
逆に放置しすぎたら基本も身に付かないままの自己流になってしまう。
どんなに強い選手でもバランスが大切。
そう思っている。
それがパフォーマンスの発揮に大きな影響を与えている。
今回の結果を通して、ぼく自身も指導の方向性は間違っていないと思った。
30日後にある南米大会で自己ベストを出して優勝する
これが直近での大きな目標だ。

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