限界を超えるための陸上競技の考え方について

2019/5/31の記録

 

 

選手とミーティングを行いました。

南米大会に出場した選手はハプニングもあって思うようなパフォーマンスを発揮できないままに大会を終えてしまいました。自己ベストを更新したものの、公認記録で11秒台を十分狙えるだけの能力を持っていたので残念な結果になってしまいました。

 

 

 

彼女の試合終了後に電話がかかってきて1時間ほど話をしましたが、当然電話だと具体的に話をすることができないのでこうやって改めてミーティングを行ったということです。

 

 

今回は陸上競技のメニューがどうこうとかそういう話ではなく、どういう考え方を持てば記録を向上させることができるかについて話をしました。土台のところ。

彼女は完璧主義者で頑固。言い方を変えればやらなければならないことを全てやることができるとも言えますが、実際陸上競技をやっていると理想通りにいかないことのほうが多いです。実際は結果が出ればどんなやり方でも肯定されるわけですが、「理論的にはこうだからこうでなければならない」という自分ルールを決めちゃってるんですよね。固い。

別にだれも彼女にルールを課しているわけでもないのに自分で勝手にルールを決めて縛られている、この状況が彼女にとってマイナスに働いているように感じていました。

 

 

 

ぼくは彼女に「チョコでもマクドナルドでもピザでも、好きなものはなんでも食べなさい」と話しました。

当然彼女は「は?」となります。でも、

  • これらのジャンクフードを食べた次の日のコンディションに大きな悪影響はあるか?
  • 練習のタイムに大きな差があるか?
  • 体重に大きな差があるか?

などを彼女に改めて質問すると答えられないのです。当然です、理論に縛られていて自身で経験していないとこうなります。

 

 

確かに毎日ジャンクフードを食べて消費カロリー以上の摂取をしていたら体重が増えてスピードが落ちるとか、コンディションが低下することは考えられます。でもそれは「毎日」やった場合の話。

これはジャンクフードが原因でもありますが「習慣」の問題の方が大きいと言えます。

食事は競技者にとって楽しみのひとつ。ここに制限をかけて自分が好きなものを食べられないとなると練習でのストレスを軽減する手段が減ってしまいます。ストレスが溜まり続けると精神的にうまく機能しなくなり、その影響で体も上手く反応しなくなってしまう可能性があります。これがいわゆるスランプの1つの原因でもあります。

競技力を向上させるためには心技体のバランスが重要であり、そのバランスをとる作用をしているのが楽しい食事です。食事は栄養を摂取するためのものではありません。メンタルコンディショニングにも大いに役立つのです。

 

 

0か100しか基準を持たない完璧主義の選手にはこういう視点が足りません。自身が思っている完璧とは一体どれほど完璧なのか?それを考えてみると意外と完璧だったりしないものです。

日本の女子長距離なんかがいい例。「体重を落とせば速く走れる!」という論理的でない指導によって選手たちは「痩せれば速くなる」という間違った基準を持ってしまいます。痩せれば速い、痩せていなければ遅い、この0か100なのです。普通に考えればそんなことありませんよね?80くらいでも速い人はたくさんいます。なぜなら80くらい、完璧にやっていない人は痩せることを目的にせずに速くなることを目的にしているからです。

だから速く走るためには痩せる痩せないの2つの基準しか持たない選手よりも完璧ではない選手の方が速く走るための手段が豊富であり、結果的にはよく食べてよく動く選手の方が将来的に生き残っていくのです。

 

 

一例で食事を例に取り上げましたが、完璧主義をぶち壊すことによって多くの可能性が生まれます。ぼくの指導する選手には陸上競技をもっと楽しんでほしいと思っています。完璧主義では絶対にできない体験、そこから得られる成長。これを得てほしいんですよね。

理論とか常識とか非常識というものを自分で試してみて、少しずつ「これはやってもいい」という範囲を広げていくことが選手としての可能性を大きくします。0か100ではなく、0でも100でも3でも45でも80でも、やってもいいことの範囲が広がっていけばどんどん制限を壊していくことができます。

 

 

今回のミーティングの核は「常識を疑って実際に試してみなさい」ということでした。

他にもどのようなプランで練習を回していけばいいのか、速くなるためにはどのような練習が必要かなども話しましたが、最重要は「まずはいろいろやってみて」です。

速くなるためのルールはあるかもしれませんが、速くなるための手段にはルールはありません。制限を壊していろいろな可能性を活かしながら選手には強くなっていってほしいなと思っています。

 

2017年9月から南米パラグアイで青年海外協力隊の陸上競技隊員として活動中。大学ではスポーツを専攻。日本でコーチング後、パラグアイでナショナルレベルまでの選手の育成強化・競技の普及活動、及び小学校体育教育を行っている。
趣味はカメラとトレーニング。ブログとSNSの更新頻度は多め。

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2017年9月から南米パラグアイで青年海外協力隊の陸上競技隊員として活動中。大学ではスポーツを専攻。日本でコーチング後、パラグアイでナショナルレベルまでの選手の育成強化・競技の普及活動、及び小学校体育教育を行っている。 趣味はカメラとトレーニング。ブログとSNSの更新頻度は多め。