見たことのない新しい選手が練習に来て、いきなり教えろと言われて「は?」と思ったので、もうこれもせっかくだからチャンスに変えてしまえ!と思い、普段指導している選手にその子の世話を命じました。
それが結果的に功を奏して、普段指導している選手の伝える能力をアップさせることができました。
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) 2018年11月29日
最後に選手に伝えました。
「わからない人にうまく教えることができるっていうのは自分の思考の整理につながるし、それができたら絶対に競技成績伸びるよ。その丁寧な指導が自分の競技に役に立つよ。」
選手に任せたことによって、結果的に選手も指導を通して練習の仕方を学べたと思います。
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) 2018年11月29日
普段指導している選手に新しく来た選手の指導を任せました。
というのも、新しく来た子はあいさつもろくにできなかったのにいきなり「教えてくれ」だったので、ちょっとイラっとしてしまったからです(笑)
まぁ、ぼくもボランティアである以前に人間なのでイラッとすることはあります。
そんなことで選手に指導をバトンタッチ。
だけど、選手自身も普段は自分の練習で精一杯で人に指導するという経験がほとんどない状況でした。
これはチャンスだと思い、「彼ができるようになるために【どう】指導したらいいかを自分で考えて教えてみて」と伝えました。
パラグアイの指導者は、この「どう」の部分が完全に抜け落ちています。
指導者が言う「○○をやりなさい」。でもどうやって?
そのどうやってがわからないけど、とりあえず効果があるかないかわからない、もはやくじ引きのような指導。
当たったら儲けもん、それは指導ではなくギャンブルです。
この「どう」という部分を選手が考えて人を指導できるようになることで、選手自身も成長できるのではないかと考えました。
言葉では説明しにくいですが、例えばミニハードルをたくさん並べて行う基礎ドリル。
ハードルを越えていくときには、
- 1
- 1,2
- 1、2、3
このようなリズムが存在します。
最初、選手がどのように指導するのかを見ていたら、ハードルの越え方と動き方の説明はよかった。でも、1,2,3,4…というリズムでやらせていたんです。
そうなるとやっぱり初めての人はどうしても課題をクリアすることができません。
基礎ドリルは一種の反復運動なので一定のリズムの繰り返しで成り立ちます。
リズムを1,2,3,4…のようにしてしまうと、そのリズム自体に反復性がないからちょっと複雑になってしまうんです。
だから、「1,2,1,2…のほうが初めての子はやりやすいと思うよ」と選手にアドバイスしました。
それを実践した選手、そしてできるようになった新しい子。
選手は指導するときの「リズム」の重要性を学ぶことができました。
そして、それを学んだあと、次は選手が発展した基礎ドリルに対して自分でやり方を開発しました。
これには驚きました。
今まで指導者から「やりなさい」としか言われてこなかった選手が、自分で考えて工夫したってすごくないですか?
ぼくはその発展した基礎ドリルに対して「手拍子」で運動リズムを取ろうと考えましたが、選手は「もも上げをした時に手と膝をタッチしてもも上げを引き出す」という考えが浮かんだようです。
確かに選手が考えた方法だと手と足を同時に動かさなければならないので、その基礎技術の獲得に加えて、コーディネーション能力も身につけることができます。
あぁ、なるほどなと思いました。
人に上手に教えられるようになると自分の技術についても段階的に考えられるようになったり、練習をより工夫できるようになったりすると考えています。
選手はいつも練習に来るし努力もするので、今回の指導機会が彼の競技にプラスに働いてくれればなと思っています。

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