2019/3/18の記録
女子の100mパラグアイ記録保持者には初戦でパラグアイ記録を更新できる可能性が大いにあるけど、初戦は少しだけ調整してあくまでも5月末に行われる南米大会にコンディションを合わせるようにする。
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) March 17, 2019
南米大会まで3,4試合あるけど、今見る限りだとすべての試合で自己ベストを更新する気がする。
南米大会の100%の状態は追い風+2.0で11秒7台が目標になるかなと。
— 大村康太@パラグアイ🇵🇾 (@KotaOhmura) March 17, 2019
11秒70とか60くらいになると大学の世界大会(ユニバーシアード)に引っかかるレベル。それくらいには条件が整えば走れると思ってる。あとはいかに導くか、彼女が道筋をよく理解して全力を注げるか。
まだ時間はある。やれる。
初戦をどのように迎えるか。
これは選手にとってとても重要なことです。選手の性格によっては今まで練習がうまくいっていたとしても初戦で思うような結果がでなければ自信を失ってしまって、その後の練習や試合にも影響が出てしまいます。
多くの選手はシーズンが始まってしばらく経ってからの大きな試合に照準を合わせます。それはパラグアイでも同じです。そのため、競技力の高い選手ほど大きな試合を迎えるまでにあるいくつかの試合は練習の一環であったり現状を把握するためのテストであったりします。小さな試合に対しては疲労抜きをせずに普通に試合をし、たとえ結果が悪かったとしてもこれは大目標までのプロセスの中の1つだと考えることができれば重要な試合までやるべきことに集中することができます。しかし競技力の低い選手やメンタルの弱い選手は目先の結果で今の自分の力を判断しようとするので、大目標へのプロセスの一環と捉えることができません。
ぼくが指導するパラグアイ記録保持者に関してもときどき目先の結果で自分の力や現在地を判断しようとするので、これから始まる長いシーズンを成長していくためにまずはモチベーションを高めようと考えました。彼女は鍛錬期の練習をしっかりすることができました。そして練習の走りも去年を上回っています。だからこそ、今までやってきた練習は間違ってなかった、順調だと思えることが彼女には必要だと思いました。
ぼくは理論は大切だと思いますが、やはり状況次第で柔軟に考えることが大切だと思っています。100%の理論があってもそれが当てはまらないこともあります。例えばある理論がいったい誰が唱えたものでどこの人を対象にしたものかはほとんどの人は知りません。だからこそ100%の理論、常識は疑わなければならないと思います。
パラグアイは日本とは季節が逆で、夏場は日本よりも暑いです。日本では寒い冬に鍛錬期を行うので量をこなすことで試合シーズンの準備をすることもできますが、パラグアイの鍛錬期は40℃を超える夏なので練習量を多くしたトレーニングは難しい。その状況で試合シーズンを迎えて一年間戦わなければなりません。よって、日本で常識とされている理論をパラグアイに適用することはできないのです。
一例として季節を挙げましたが、季節を条件とする練習環境の違いがあれば当然試合までのアプローチも変わってきます。パラグアイの鍛錬期は気温が高い分、スピード練習をするのに適していると言うこともできます。よって、鍛錬期でスピードを高めて試合シーズン前半でしっかりと大きな大会の標準記録を破るという作戦もアリなわけです。
100%の理論が選手の自信を極限まで高めるかはわかりません。でもレベルの高くない選手であれば鍛錬機にがんばったにも関わらず初戦で結果が出なければ100%落ち込みます。
大きな試合を目指しているとしてもそこまでに至るプロセスがメンタルトレーニングです。今回の試合はただの記録会ですが選手によっては初戦はものすごく大切。今後試合日にどのような気象条件になるかもどのような体調になるかもわからないなら、記録を更新できる準備がある程度整っている場合はチャンスは逃すべきではないと思います。

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