青年海外協力隊の帰国後の進路が問題となっているとよく聞きますよね?
帰国後の進路を今のうちからよく考えておいたほうがいいという意見が多数です。
応募用紙に帰国後の進路を書くところがありますが、どのように書けば良いか迷うところです。なぜなら応募時から数えて3年後の未来なんて想像できないからです。無理難題です。
ただ、帰国後にどのように働きたいかを考えることはできます。曖昧な将来を考えたとしても、それはきっと実現しません。だからこそ、ぼくは現地でボランティア活動の他に自己ブランディングをしようと考えています。
せっかくの青年海外協力隊。2年間、文化の異なる国に現地の人と同じように暮らしていく中で多様な価値観に触れると思います。ぼくはそれを踏まえて、具体的な将来を決めていきたいと思います。
あなたは現地で何をしたいですか?青年海外協力隊の経験をどのように生かしていきたいですか?
どういう人間になりたいですか?
目次
1.JICAの帰国後の進路支援ってどんな感じ?
帰国後の進路ってこんな感じです。
2014年4月1日~2015年3月31日までに帰国した青年海外協力隊及び日系社会青年ボランティア(計780名)に対し、帰国後の進路状況に関しアンケートを実施しました。
2014年4月~2016年4月までに回答があった634名の進路状況を集計しています。![]()
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就職、現職参加復職、進学・復学を合わせれば、約9割の人が日本的に言う社会復帰を果たしています。
ぼくが青年海外協力隊を受験するときには、「青年海外協力隊の帰国後の進路が問題となっている」とよく聞きました。実際9割の人が何かしら社会に復帰している現実を見ると、そこまで帰国後の進路を真剣に考える必要はないのかな、と個人的には思います。
この社会復帰率の高さは、紛れもなくJICAの支援制度のおかげだと思います。
- 帰国後研修
- 進路相談カウンセラー
- 教員・自治体の特別採用枠
- 大学・大学院の特別入試制度
- 教育訓練手当
などなど、本当に支援制度が充実しています。
アルバイトや非常勤、家事手伝いなどで1割程度占めていますが、これは多分協力隊から帰ってきてちょっとのんびりしている人なのかなと思います。実際、ぼくがバックパッカーでラオスを旅していた時に出会った青年海外協力隊の方は、ボランティアが終わって直ぐに世界一周をしている方でした。
他にもきっとワーホリに行く人もいるでしょう。起業の準備をしている人もいるでしょう。
そう考えると、青年海外協力隊の帰国後の進路は全く心配する必要はないと言えます。
2.帰国後の進路がある程度保証されていることに安心してない?
帰国後の進路は心配する必要がない。安心安心。そう思っている人もいると思います。
だけどちょっと考えてほしいです。帰国後に社会復帰した人は、帰国前に描いていた理想の形で社会復帰したのでしょうか?
ぼくはそうは思いません。なぜなら、2年間も青年海外協力隊として発展途上国で活動していたら自分の価値観が変わるからです。発展途上国を旅してカルチャーショックを受けたということをよく聞きますが、ぼくも3週間ですがラオスを旅して価値観が少し変わりました。
例えば、ラオス人はすごくのんびりしていて働いている感じがしません。押し売りもほとんどありません。ラオスは別に何もないけど、家族で過ごしている姿を見た時にすごく幸せそうに見えたんですね。
そういうことを協力隊の活動を通して感じた時に、「あれ?実はバリバリ働かなくても楽しく暮らせるんじゃないか?」とか「こういう生き方があるんだ!」と思ったら、派遣前に描いていた帰国後の進路なんて役に立たなくなるのではないでしょうか?
帰国後の進路決定が活動中に得た価値観を基に決められるとしたら、今具体的に帰国後の進路を考えることは意味がないと思います。
派遣される前は誰もが2年後の将来なんてプー太郎なんです。現職参加しようが将来なんてわからないんですよ。
だからこそ、派遣先でボランティア活動をするだけでなく、自分を高めたり、完成を養ったり、何かをしたりしながら将来を考えることが重要なんです。
3.グローバル化が進む中では、青年海外協力隊はメリットだけど…

グローバルな人間ってどういう人の事を言うのでしょうか?
グローバルな人間とは、言語を話せる人ではなく、その文化に対応・適応できる人。
だとぼくは思っています。
現代社会はグローバル化が急速に進んでいることは誰もが感じていることです。日本人の多くが「英語を話せる人がグローバル人材だ」と勘違いしています。その考え方は時代遅れです。もう、多言語を話せることは世界的に見て当たり前の時代なんです。
そういう意味で、青年海外協力隊はバイリンガルになる素晴らしい経験を積むことができますが、青年海外協力隊の活動で専門性を養えるかといえばぼくはそうは思いません。
例えば、ぼくは陸上競技で派遣されます。活動は主に陸上競技の普及と選手の育成です。おそらく、ぼくは今までの陸上競技の経験から現地で勉強しなくても活動を全うできるでしょう。勉強しなくても言語さえできれば大丈夫。こういう考え方で活動をするなら専門性なんて養えるはずがありませんよね?
グローバル化が進んだ今、ぼくたちに求められている能力は専門性や行動力、発想力です。「グローバルな人間とは、言語を話せる人ではなく、その文化に対応・適応できる人」なのだから、もう他言語を話せるだけでは別にメリットでも何でもないんです。
そう考えたら、やっぱり青年海外協力隊として活動する2年間で、自分を高める何かをしたり、専門性を高める勉強をしたり、常に日本や世界の情報にアンテナを張ったりすることは重要です。
暇な時間って必ずあります。ボランティア活動に加えて何かをすることで自分の価値を高めておくべきです。
4.青年海外協力隊で派遣されている間も、時代はどんどん変わっていく

一番恐ろしいことは、2年間の任期を終えて日本に帰国した際に時代についていけない状況になっていることです。
せっかく2年間も青年海外協力隊として様々な経験ができて言語も習得できるのに日本に帰ってきて適応できませんって、それこそグローバル人材じゃないですからね(笑)
「青年海外協力隊で活動した私はグローバルな人間」。そう考えるのは甘い。
帰国した時の日本は、派遣される時の日本とは別物になっているんです。時代に遅れる可能性大なんですよ。
帰国した時の日本の状況を知らずして、支援制度だけで就職するって本当に安定と言えますか?勧められるがままに就職してその企業が倒産したらどうでしょう?自分を磨いてこなかった人は就職するのも難しくなるでしょう。
時代に遅れることなくその時代を生きていくためには、やっぱり任地でも何かする必要があると思います。
5.だから、ぼくは派遣国でも自己ブランディングをするんです

とりあえず、ぼくが今やろうとしていることです。
- 読書
- マンガ本を読む
- ブログ
- 心理カウンセリングの勉強
- スペイン語と同時並行で英語の勉強
- デザインの勉強
- 陸上競技
「派遣国で何やろうとしてるんだ!?」って思う人もいるかもしれません。確かに今挙げただけでもやろうとしていることが7つあります。特にマンガ本を読むとかなんだよってなりそう。
ただ、マンガ本を読むことってメリットだと思うんですよね。マンガは出された時の日本の文化や考え方を反映していると思っています。難しい本を読んで何も残らないよりだったら、楽しくマンガを読んで、それに加えて日本文化として紹介することだってできます。
デザインの勉強だって別に難しく考える必要なんてないんです。デザインの勉強を少しでもしていれば日常的に見えるものが変わってくると思うんですよね。それだけでも日本にいなくても感性を養うことができます。
陸上競技だって一日2時間とかトレーニングするんじゃなくて、30分でもいいじゃないですか。むしろ30分のトレーニングで強くなれるトレーニング方法を自分の中で方法論として確立できれば、帰国したあとに陸上の指導者という道も開けてきます。
心理カウンセリングなんかも、陸上競技の指導と組み合わせればそれだけで価値が高まります。組み合わせるだけで個性が生まれるんです。
やろうとしていることを7つ挙げましたが、まだ頭に浮かんでいないだけでやりたいことってまだあるんじゃないかなって思っています。
こんな感じで、派遣国でも時間があればやれることってたくさんあるんです。
過ごし方は自由。だけど同じ時間を過ごすのであれば現地人との交流はもちろん、ぼくは自己ブランディングに時間を費やしたいと思います。
まとめ

確かにJICAの帰国後の支援は充実しているし、データを見ても帰国後の進路は安心できるレベルだと言えます。
だけど、派遣された時の日本の状況と、帰国後の日本の状況は全く別物になっていることを忘れてはいけません。
派遣された時に何もしなければあなたは2年前の自分のままですよ?
価値観が変わればやりたいことも変わるでしょう。
そういう意味では派遣前から帰国後の進路なんて考えても意味がありません。
派遣前から曖昧な帰国後の進路を考えるより、むしろ、
派遣先でもやりたいと思うことをいくつか探しておいて、それを協力隊の期間中にやることが帰国後の進路につながる
と言っていいのではないかと思います。
価値観が変わるのに将来のことを設計するのは無駄です。ほとんどの人が人生計画通りにはいかないでしょう。
だからこそ、派遣されている最中にも自分を常に高める努力をすることが大切だと思うし、結局そういう人がグローバル化が進んだ世界で生きていけるのではないでしょうか?

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