青年海外協力隊って、言葉の違いとか文化の違いで苦労することがあるというのはよく聞く。
ぼくはまだ協力隊に派遣されていないからその苦労がよくわからない。
ぼくは苦労することがよくないとは思わない。
「大変=つらい」っていう方程式が嫌いなんですね。意味がわかりません。
「大変=つらい=けど楽しい!」ならわかります。大変と楽しいのループができれば、周りから見て大変そうなことでもバカみたいに面白いと思うものです。
そんなことで、青年海外協力隊の活動で熱い想いの記事を紹介します。
2016年1月から水泳隊員としてカンボジアで活動している、生山さんのブログ記事です。
本当に熱い記事なので、協力隊になりたいと思っている人は協力隊ってこういう葛藤とか想いとかあるんだっていろいろ考えることがあると思います。
苦労して大変かもしれないけど、それが全てではない。
だから、協力隊は魅力的なんです!
1、途上国のお偉いさんとの想いの衝突
水泳隊員の生山さんはこんなことを書いてきます。
連盟のお偉いさんの発言(抜粋)↓
”水泳は私がどんなにお金をかけてもメダルが取れないな”
”今まで何度も金銭的サポートをしているが、メダルが取れないから意味ないね”
”ソフトテニスはまだ新しい連盟なのに、遠征に行くたびにメダルを取るのに、水泳はこれだから…””速くなったって言ったって、ほんのちょっと。どうせ他の国の選手との差は埋まらないだろ”
”あんなレースでよく先生は選手のことを褒めるよね”
”ソフトテニスは日本人のコーチが来てからすごく強くなったよ。なのに水泳はあなたが来たのに…ねぇ。””いやいや。選手たちもなまけものじゃん。”
”練習に遅刻してばっかりで、全然頑張らない。それに比べてソフトテニスはさぁ・・・””お前の選手はカメみたいだなっ!”
引用:カンボジア通信~夢に向かって泳ぎ続ける選手とニャックルーの話~
これがお偉いさんの発言。
彼が悪いとかそういうことを言いたいのではありません。
協力隊として任地に派遣されたら、こういう温度差で苦労することがありうるということです。
活動に対する想いが強ければ強いほど衝突が起こるかもしれません。
一緒に活動する人たちが好きであればあるほどイラッとすることもあるでしょう。
競技に対する価値観やその国の文化が日本とは異なるから仕方ないことかもしれません。ただ、ぼくも同じ立場だったらすごく嫌な思いをすると思います。
ぼくも陸上競技隊員で派遣されますが、勝ち負けが全てだとは思いません。勝ち負けなんておまけだと思っています。スポーツ隊員なのに何言ってんだって思われるかもしれません。
もちろん競技成績が伸びてメダルを取れれば最高です。
ただ、それ以上に陸上競技を通してその人が昨日の自分より少しでも成長できればいいんです。30分遅刻しがちな人が20分の遅刻になればそれは立派な成果だと思います。
引きこもりがちな子が外に出るようになった。メニューのノルマに追加して自分で考えてやるようになった。などなど。
そういう小さな成功体験を積み重ねることで、やがて大きな成果が出ると思うんです。スポーツの場合は。
成果が出るのは協力隊が帰国してからかもしれません。いつになるかわかりません。
だからこそ、結果が出るまで地道に見えない根っこを下に伸ばし続けるんです。
ぼくはそういう隊員になりたいと思います。
お金とかそういう問題ではなく、今やるべきことに集中して一歩ずつ前に進むことが大事なのではないかと思います。
さらにこんな発言。
”違うんだ、あなたが悪い先生だとは言ってない。あなたの選手が悪いんだ…”
ぼくもこう言われたらカチンと来るかもしれませんね…
「できない=悪」だとはぼくは思いません。
「1mmでも前に進めた=やったー!」。これでいいんじゃないかなって思っています。
できない=悪って言われ続けたら、ぼくだったらグレるかもしれません(笑)
だってそんなこと言われたら嫌じゃないですか。しかも、少しずつ頑張ることができるようになってきた選手に向かってそんなことを言うなんて。
これも考え方の違いだからしょうがないのかもしれませんが、少しでも任地の文化を発展させたいんだって思うのなら、こういう想いの衝突は避けられないのかもしれませんね。
2、「ここにいた証」
私はただの外国人。
たった2年しかいれない、期限付きのボランティア。私が帰ったら、きっと、
出欠確認も、あんなに考えた物品管理も、練習前後の整列も、きっとなくなっちゃう。こんなきつい練習、やるわけない。
【ここにいた証】
なんて残るかわからないのに。
なのに、なんで
この子達に、すべてを懸けたいと、思ってしまうんだろう
なんで、こんなに、好きになっちゃったんだろう
どうして、あんなに悔しかったんだろう。
引用:カンボジア通信~夢に向かって泳ぎ続ける選手とニャックルーの話~
青年海外協力隊の難しさでもある、途上国に「何かを残す」ということ。
生山さんが言っているように、協力隊はただの外国人です。2年間でいなくなります。
2年間でいなくなるし、帰国したあとに文化として残るかはわからないし。。。
って誰でも思うことなのかなって思います。特に、活動したことが文化として何も残らなければやっぱり悲しい。
「ここにいた証」って本当に残るかどうかわからないんですよね。
この話は協力隊OBの宮崎大輔さんもされています。
やっぱり難しいんです。
2年間という短い期間だから難しいんじゃない。その国の文化を変えることも難しければ、たった少しだけよくすることも難しいんですね。
残ったのは、「ダイスケの名前だけ」だった。それくらい難しい。
だけど、だからこそ、ぼくは青年海外協力隊の活動は魅力的なのだと思っています。
何も残らないかもしれない。だけど、たった少しだけ希望の光がある。それに向けて試行錯誤して、現地の人と協力しながら活動していく。
ほとんど可能性はないけど少しでも可能性があるからこそ、全力で活動できる。
その中で現地の人と交流して、そこの人たちが大好きになる。
だから魅力的だと思うのです。
ふざけんな!って思うくらいムカつくこともあるかも知れない。だけど、だからこその協力隊なのではないでしょうか。
3、まとめ
青年海外協力隊は苦労するし大変かもしれない。
それって全部マイナスなことでしょうか?
ぼくはそう思いません。
大変かもしれないけど、それが全てではないからこそ協力隊は魅力的だと思うのです。
ふざけんな!って思うことも
名前しか残らないかもしれないということも
それが協力隊のありのままの実情です。
ぼくはそれを受け入れて協力隊に参加したいと思います。

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