パラグアイに青年海外協力隊として赴任してから初めての報告書になります。
第一回報告書は任地に赴任してから3ヶ月までの記録です。
活動初期の全体像を大まかに感じてもらえればと思います。
1.報告書要約
配属先は国内の陸上競技大会の開催、運営、その他国内のコーチ、審判の指導、育成等を担っている「パラグアイ陸上連盟(1947年設立)」の傘下にある組織である。
現在、配属先では投擲の種目を中心に強化選手の育成及び裾野拡大のために積極的な普及活動を行っている。任地であるサンタロサ市には国際大会に出場するレベルの高い選手が少数在籍しているほか、主に中学生程度の子供たち10名程度が練習に参加している。
しかし日本の練習環境とは大きく異なり、例えば雨が降っただけで練習自体がなくなることも多々ある。また気温が非常に高いため練習時間を確保することが非常に難しいことに加え、暑い中練習に来る子供たちも非常に少ないため、継続した練習をすることができていない状況である。
よって、まずは競技力の向上に必要な「練習に参加する」ことの重要性を理解してもらい、その中で練習が継続できるような創意工夫をして陸上競技にのめり込めるような環境づくりが必要であると考える。
カウンターパートがボランティアに期待している活動内容は大きく分けて、①陸上競技の育成・普及活動、②近隣小学校での体育の授業の2つである。そのうち今精力的に取り組んでいるのは陸上競技の活動であり、基本的にカウンターパートから練習指導を任されている。
しかし、近隣小学校での体育の授業に関しては、サッカーの時間にはカウンターパートは子供たちを見ずに休憩時間に入ってしまっているので、ボランティアがその活動をすることで配属先の現地人が本来やらなければならない活動をしないという状況になってしまっていることは大きな問題であると感じている。
また、活動に関しては自分から何か提案したり仕掛けたりはしていない。まずは、自身が体験して事実の積み重ねをしていくことでしか見えてこない「本当の課題」を見極めることが大切であると考えているためである。
陸上競技隊員として派遣されましたが、小学校の体育も見てきました。
3ヶ月過ごしてみて強く感じたことは「とにかく文化が違いすぎる」ということです。
日本の常識は全く通用しません。そこが面白いところでもあると思いますが、「これをやるんだ!」と日本の手法でやろうとすると、たぶん活動はスムーズに進まないと思います。
2.活動地域及び配属先の概要
配属先は国内の陸上競技大会の開催、運営、その他国内のコーチ、審判の指導、育成等を担っている「パラグアイ陸上連盟(1947年設立)」の傘下にある組織である。
現在、配属先では投擲の種目を中心に強化選手の育成及び裾野拡大のために積極的な普及活動を行っている。
配属先からのニーズは大きく分けて①陸上競技の育成・普及活動、②近隣小学校での体育の授業の2つである。これらの活動を私とホームステイ先の父であるカウンターパートの2人で行っている状況である。
私の前に前任者が活動しており、2016年には外務省スポーツ外交推進事業により配属先関係者5名が日本で開催された国際大会及び研修に参加した実績もあり、日本人ボランティアに対する理解もある。
本当にそのままですね。
ぼくの3ヶ月目までの活動は上記の2つ。だからほかの隊員よりもやることがなくて暇、というのが本音です。
もちろん探せばやることはあるでしょう。ただ、ぼくはそこまでして最初からガツガツやる必要はないと思っていたので最低限のことしかやっていませんでした。
3.ボランティアが所属する部局の概要
主な事業内容は、①選手の育成、②選手の発掘、③普及活動の3つである。活動は同僚のカウンターパート1人としており、前任者と活動した2年間があるため活動自体はカウンターパート1人でもできる状況である。
しかし、練習に対する考え方は競技力が低い子供たちに合わせたものであり、選手の育成に関して言えばかなり物足りないものである。
サンタロサ市には国際大会に出場するレベルの高い選手が少数在籍しているほか、主に中学生程度の子供たち10名程度が練習に参加している。
しかし日本とは違い、雨の日は練習がなくなり、故障があると練習に参加しない。また、任地は気温が非常に高く、練習時間は1時間から1時間半程度であり、日本の練習感覚で指導しようとしてもうまくいかないことが多々ある。
よって、まずは競技力の向上に必要な「練習に参加する」ことの重要性を理解してもらい、その中で練習が継続できるような創意工夫をして陸上競技にのめり込めるような環境づくりが必要であると考える。
特に田舎は日本のように「勝ちたい」というような強いモチベーションを持って陸上に取り組んでいる人は多くありません。
練習環境も全く異なります。
一週間の練習は5日あるのですが、5日間すべての練習に参加する人はたぶんいません(笑)それくらい自由です。
4.配属先のニーズ
カウンターパートがボランティアに期待している活動内容は大きく分けて、①陸上競技の育成・普及活動、②近隣小学校での体育の授業の2つである。そのうち今精力的に取り組んでいるのは陸上競技の活動であり、基本的にカウンターパートから練習指導を任されている。
それは、私自身が現在も現役で陸上競技を続けているため、動きながら正しい技術を示せるからである。
よって、カウンターパートが期待している「陸上競技の育成・普及活動」に関してはニーズを満たしており、活動も順調であると感じている。
しかし、小学校での体育の授業では同じように私が動けるというメリットを生かして実演したり子供たちと動いたりするが、逆にカウンターパートは私に任せきりになっている。
サッカーをさせるとカウンターパートは子供たちを見ずに休憩してしまうため、体育の授業の改善は現段階では難しく、体育の授業を改善したいというニーズはあるもののニーズと行動が矛盾している状況である。
これは体育隊員や小学校教育隊員も同じ状況があると思います。
ぼくの場合は体育でサッカーの時間となると先生は休憩タイムです。基本的に先生同士で話をしたり携帯をずっといじっているため、体育の授業は見ていないし、どちらかというと授業ではなく遊びになっています。
5.活動計画準備状況
赴任してからの約2ヶ月間は、私から提案することはなく現地でのやり方を観察している段階である。
それは、まず現地のやり方を肌で感じること、そして聞くよりも実際にやったことが事実として積み重なり、それらの事実があって初めて課題が見えてくると考えているからである。
私が思ったこと、質問したことが現地で抱える課題であるとは限らず、まずは自身が体験して事実の積み重ねをしていくことでしか見えてこない「本当の課題」を見極めることが大切であるはずである。
活動をしている中で「ものがほしい」「お金が足りない」というようなことはカウンターパートから聞いているが、それ自体が陸上競技の文化の発展に必要な直接的な要因ではなく、それが本当の課題でもない。
これらの配属先のニーズも踏まえて、まずは事実の体験と積み重ねをもう少し継続し、その上で配属先や関係者との打ち合わせを進めたいと考えている。
要請書に書かれている内容がすべてではない。
それは全青年海外協力隊が肝に銘じておくべきことだと思います。
本当に課題は要請書には書かれていない可能性があります。
草の根外交ができる青年海外協力隊のもうひとつのやるべきこと。それは「本当の課題を見つける」ことです。
6.受け入れ国の印象
前任者が活動していたこともあり、日本人に対する印象は非常によく感じる。
それは前任者が陸上競技の活動だけではなく地域とのかかわり合いを大切にしてきたからであると思う。
実際活動していても、前任者の名前を聞くことが多々ある。そのため、同じ日本からやってきたボランティアである私に対しても非常に優しく親切に接してくれる。
チノ(中国人)と呼ばれることも時々あるが、それは海外の人から見て日本人と中国人の区別がつきづらいからであり、私が日本人であると伝えるとからかうこともなく理解してくれる。
任地の生活習慣は非常にゆったりしている。特に何かやらなければならない活動があったとしても時間を守ることがなく、時間を守ることよりも目の前にいる人とのコミュニケーションを重視するというのが日本とは大きく異なる習慣であると感じる。
よって、仕事よりも人間関係を大切にしており、普段でも近所付き合いが深く、また祭りや誕生日会などもたくさんの人と一緒に盛大に行われる。
初対面であっても何者か分からない日本人ボランティアに対して好意的で温かく迎えてくれるパラグアイの人々にはいつも心の温かさを感じる。
最初はチノと呼ばれることが結構ありました。
これについては別記事にまとめてあります。
任地で活動してきて「仕事よりも目の前の人とのコミュニケーションが優先される文化」がパラグアイの最大の特徴かなと思っています。
とにかく人と会うと話をします。
ぼくはパパがカウンターパートなので活動の時は一緒に行動しているのですが、たくさんの人に会うと目的地までがとにかく遠い。。
これは文化なので、例えば「17時半から練習」と言っても絶対に定時に始まることは無理だと思います。実際今まで一度も定時で始まったことがありません。
以上になります。
活動が始まって3ヶ月程度は試運転というか様子見というか、とにかく観察することが多かった時間でした。
もちろん活動もしましたが任者も活動していたので前任者が一体何をやったのかを把握することもぼくにとっては重要なことでした。
少しずつ全体像が見えてきたので、これからは少しずつぼくも活動に加わっていこうと思います。

コメントを残す