2019/2/11の記録
パラグアイの女子選手から生理の相談を受けました。
生理の相談って日本ではどれくらいされているのでしょうか?
今回はぼくが選手の走りを見て調子が悪そうなのを察知して少し話をしました。そしたら生理だと。
思えば、ぼくが選手だったとき、中学でも高校でも大学でも、選手が生理で練習をしないというのは聞いたことがありませんでした。選手だったし異性だし、そう考えると当たり前なのかもしれません。
でも、果たして選手と指導者がその選手の身体、特に男性が理解することが難しい生理について共有する環境があったかは疑問です。
なんとなくですが、日本は異性の身体を正しく理解することに抵抗があったり恥ずかしいことだと思ったりする雰囲気があるように思います。
でも、指導者は選手を預かっている身です。指導者は選手の身体や健康に注意する義務があります。
もちろんデリケートな話なので女子選手でも情報を共有したいと思わない人もいると思います。まして指導者が異性であればなおさらです。なので、強制的に女子選手と身体についての情報共有をする必要はありません。
それでも指導者、特に女性の身体を完璧に理解できない男性指導者は少しでも女性選手の身体を気にかける必要があると思うし、例えばどうして動きが悪いのかを分析するときに女性選手の生理の可能性も考えるべきだと思います。
そして生理は身体の不調だけでなく、精神的に不安定になる人もいます。行動や言動や雰囲気に変化があるか、そういうところも観察しながら何気なく気にかけてあげることは女性選手にとってとても心強いのではないかなと思います。
ちなみにぼくは選手に「生理のときに無理してる時点で今までのプロセスに自信がない証拠。しっかり練習をやってきているのだから調子が悪い時はやすみなさい。」と言っています。
そもそも指導者はあらゆる状況を想定して競技力を向上させるためにプロセスを充実させるべきです。試合に勝つため、そのような勝利至上主義のもとに女子選手の身体に無理を強いて指導するべきではありません。女子選手の身体は機械ではありません。
日本は部活動という教育的な意味合いを含めた陸上競技がありますが、実際は競技至上主義的な部分が大きくて女子選手の身体が軽視されているのではないかと思います。
パラグアイの陸上競技は決して高いレベルではありません。それは諦め癖があったり努力が足りなかったりという、パラグアイならではのスポーツ文化が要因として考えられます。でも、そういう文化のおかげか、不健康そうな女子選手は見当たりません。
すべての女子選手が勝ちたいわけではありません。勝ちたい、少しでも成長したい、友達がいるから競技場に来たい、走るのが好きだから走りたい。それぞれの選手が異なる目的をもっています。そして選手と取り巻く状況も違います。
指導者は女子選手を選手である前に「ひとりの女性」として考えることがとても大切です。
ぼくは女性の身体を守りながらトップレベルを目指せるように努力します。それぞれの目標を達成できるようにサポートします。

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