エリートな子どもに対する、「自信」をつけるための段階的指導・育成の重要性

 

こんなあなたに読んでほしい

  • 教育関係の方
  • 勉強やスポーツ(部活)の指導において悩んでいる方
  • 子どもの能力を最大限に発揮させる方法を知りたい方
  • 自信の手に入れる方法を知りたい方

 

 

先日、パラグアイの首都で試合があった。

その中で

「子どもの選手育成」

に関して気になることがあった。

パラグアイには現在16歳で100mを10秒8程度で走る選手がいる。この国のトップが10秒5程度なので、ものすごいエリート。

だからパラグアイ陸連の関係者の多くはその選手に期待している。

でも、個人的には期待しすぎていてその16歳の選手のプレッシャーになっているのではと思っている。

 

 

速い選手は速い選手と走る。これは普通のことのように思えて、実際は違う。

例えば、日本の陸上競技の大会だと予選では速い選手は各組に割り振りされる。なので、確実に速い選手は「勝つ」経験をすることができる。

準決勝、決勝と進むと勝者敗者が出てくるが、それでも多くの人が必ず「勝つ」という経験を積めるから自信を持つことができる。

そして、予選で勝ったあとに負けると今度は悔しいという気持ちも芽生える。だから頑張ろうと思える。

今回の例で言うと、16歳の有望な選手は常に国のトップ選手と走る事になるから、確実に負ける。

そうすると本来は「勝つ」という経験を通して得られるものを、子どもの時に経験することができない。

常に負け続ける。そうすると人は無意識のうちに負けグセがつくし、また負けると思ってしまう。

 

 

試合の時は勝者と敗者が生まれるのは当たり前だけど、だからこそ、子どもの時に「勝つ」という経験を積ませることが大切。

エリート選手だからといって速い選手とばかり走らせることが必ずしもいいとは言えない。

負け続けると潜在意識の中にあきらめが生まれるから、のびのびと走れないし本来のパフォーマンスも発揮することができない。

そして今度はその本来発揮されるべきパフォーマンスではないパフォーマンスが当たり前のようになってしまう。

選手にとってのマイナス経験の積み重ねは自信形成の上で確実にマイナスになってしまう。

だから、16歳の選手は本来はもっと速く走れるはずなのに試合では動きが変わってしまっている。のびのび走れば0.1秒や0.2秒は縮まるのに。

 

 

そのほかにも資金提供をしたりテレビの撮影をしたり。

有望な選手をほかのスポーツに流さないための囲い込みは確かに大切。

でも、その期待って全部大人の都合で実は子どもにとってはなんの関係もない。

だから、そういう期待が行き過ぎてしまうと子どもに過度なプレッシャーがかかってしまう。

本当なら子どもの時は競技の楽しさを感じることが大切な時期なのに、楽しくない、プレッシャーがかかる、負ける。そういった経験一つ一つの積み重ねが選手をめちゃくちゃ苦しめると思っている。

 

 

行き過ぎた指導と段階的な指導と過程を無視することは子どもの負担にしかならない。

かと言って多くの子どもたちと一緒にエリート選手を指導するとき、低レベル層と質を一緒にするのもまた違う。

そのような場合は、低レベル層と同じ練習内容であっても質を重視する、あるいはその選手をより見ることが大切。

低レベル層は練習できることが楽しい、そしてエリートは記録の向上を望んでいる、そんな状況では一緒に練習させてもエリートを少し贔屓しても構わない。

あくまでも一般レベルの選手と同じような過程を経験させる。その中で選手として以前に、子どもとして必要な経験値を積ませることが先決。

 

子どもが焦るのはわかるが、指導者が焦ってはいけない。

 

パラグアイ陸連のやり方も一理ある。

でも、ぼくはもっといい選手育成というか選手保護というか、そういうものがあると思っている。

エリートな子どもであっても、精神的には成熟していない場合が多い。

肉体や技術だけでなく、精神的な成長も子どもにとっては重要な要素だ。

ただの勝ち負けにこだわる育成には、段階を追って培われる精神的な成長が不十分になりかねない。

だからこそ、もっとゆっくり、そしてしっかり育成するべきなのだ。

 

 

今回の例は、今後国のトップになる16歳のエリートスプリンターの話だったが、これは学校の教育現場にも当てはまる。

そのレベルに応じた適切な負荷をかけることも大切だけど、周りの子どもよりもできる子どもに対して、本当に段階的な指導ができているか、それを確かめる必要がある。

大人になるにつれて、多くの人が自然と競争社会に入ってしまう。そんな状況で自信を手に入れることは難しい。

子どもの時に段階的な育成ができていれば、子どもが自信を持つことができるし自己肯定感も高めることができる。

そして何より、自分が取り組んでいることが「楽しい」と感じることができる。

プレッシャーを感じることなく、もっとのびのびとできる。

 

 

子どもにとって本当に大切なことは何かを考えることが必要。それは必ずしも大人が必要としているものとは限らない。

 

まとめます。

 

  • エリートな子どもであっても、一般の子どもと同様の段階的な指導・育成が大切。
    ⇒理由:子どもの時にしか培うことができない競技以前に必要な能力があるから。
  • 子どもに対する過度な期待は、子どもにとって大きなプレッシャーになりうる。
  • 子どもの時期は精神的な成長の過程にあるから、結果を求めすぎず「楽しい」とか「自信」というキーワードを大切にすべき。
  • ネガティブな経験の積み重ねは子どもの可能性、パフォーマンスを下げる

 

  • エリートだから当たり前にできる。
  • エリートはほかの人よりできる。
  • エリートは大人っぽい。

それは違う。

そのように思われかねないエリートと呼ばれる子どもだからこそ、一般の子どもがたどる成長過程を無視してはいけない。

子どもの時にしか培うことができない能力もある。それを無視しない。選手以前にひとりの子どもとしての成長を、指導者は考えなければならない。

 

2017年9月から南米パラグアイで青年海外協力隊の陸上競技隊員として活動中。大学ではスポーツを専攻。日本でコーチング後、パラグアイでナショナルレベルまでの選手の育成強化・競技の普及活動、及び小学校体育教育を行っている。
趣味はカメラとトレーニング。ブログとSNSの更新頻度は多め。

いいね!してくれたら超嬉しいです\(^o^)/!

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

2017年9月から南米パラグアイで青年海外協力隊の陸上競技隊員として活動中。大学ではスポーツを専攻。日本でコーチング後、パラグアイでナショナルレベルまでの選手の育成強化・競技の普及活動、及び小学校体育教育を行っている。 趣味はカメラとトレーニング。ブログとSNSの更新頻度は多め。