大村は陸上競技のコーチングは初心者だ。新米コーチです。
そんな新米コーチですが、青年海外協力隊の陸上競技隊員としてパラグアイで陸上競技の活動をすることになっています。
1ヶ月半という短い期間ですが高校のコーチに挑戦しています。
高校の陸上部のコーチを引き受けてからまだ1週間も経っていません。40人近く部員がいますが、たった4日程度コーチをしに学校に行っただけでもう半分ほど名前を覚えました。
まだほんの少ししかコーチ活動をしていませんが、早くも「コーチが来てから走りが変わりました」とか「部活楽しいです」と言ってもらっています。
ぼくは社会不適合者で結構周りの人とものの考え方が違います。今まではそれで苦労してきましたが、むしろ今はそれは武器にすることでぼくらしさを発揮しています。
今回は、新米初心者コーチ大村がコーチ活動をする上で大切にしていることについて書いていきます。
1.コーチングで大切にしていること
1-1.陸上競技が人生を豊かにすることが大切
青年海外協力隊の訓練までの1ヶ月半っていう短い期間だけど、高校のコーチ引き受けて本当によかった。確かに高校までの往復と部活の時間を合わせれば3時間食ってるわけだけど、それでも今なんとかやってるし、やっぱり気持ちの充実感が違う。パラグアイでも楽しくやりたいなぁ。
— 大村康太@JOCV候補 (@KotaOhmura) April 28, 2017
まずぼくが一番大切にしていることは
です。中学生でも高校生でも大学生でも、陸上競技を頑張りすぎて人生を壊しちゃいけないんですよね。陸上競技で飯を食べていけるのは少数だし、そもそも陸上競技だけやっていたら人生の幅が狭まると思っています。
視界が狭いんですよね。陸上競技の知識がいくらあろうと、トップを目指すのであれば陸上競技以外のところから学ぶことって、むしろ陸上競技の知識より多いと考えています。
陸上競技の知識はおおよそ「心技体」に分類されますが、その内容がかなり大雑把なんですよね。大切だと説いていながらその内容に触れない。触れたとしてもそれだけが正解のような書き方をしている専門書のようなものは多いと感じます。
例えばですが、「集中しろ」というアドバイス。聞いたことがあると思います。どうやって集中しますか?集中力が大事だと一般的に言われていますが、集中の仕方は誰も教えてくれません。意外と集中した気になってる人が多いんです。面白いことに。
そういうのって陸上競技の知識だけ蓄えても絶対にわからないんです。ぼくが教えている高校生はいろいろなことに興味を持ち出す時期だからこそ、陸上競技ではなく今まで触れたことも考えたこともない事柄に対して考えるように仕向けています。
一度情報に触れると、そのときは興味がなくても頭の片隅に残るものです。実際ぼくが青年海外協力隊になるのを決めたのもこんな過程があります。
1-2.信頼関係
にしてもコーチを引き受けて思うんだけど、技術指導云々の前に大切なことって指導者と生徒との信頼関係だと思った。生徒(競技者)は何か強く信頼するもの、心の支えになる存在があるときびっくりするくらいパフォーマンスが上がる。
— 大村康太@JOCV候補 (@KotaOhmura) April 28, 2017
確かにコーチとしてぼくは技術指導もできる。ただ、いくら正論でもいきなり来たコーチから上から目線で指導を受けたらつまらないと思うんだよね、生徒は。誰だって見ず知らずの人からいきなり「これは違う、あれをやれ」って言われたらムカッとするのと同じ。
— 大村康太@JOCV候補 (@KotaOhmura) April 28, 2017
話を戻して、
技術指導云々の前に大切なことって指導者と生徒との信頼関係だと思った。生徒(競技者)は何か強く信頼するもの、心の支えになる存在があるときびっくりするくらいパフォーマンスが上がる。
とつぶやいているとおり、ぼくは信頼関係の構築に力を入れています。
なぜか?
それはもう書いてありますが、信じるものがある人間は強いからです。
これは本当にコーチングするうえで重要な要素で、コーチが偉そうに指導することもできますが、それでは信頼関係はおそらく築けません。それはコーチと競技者の間に壁や心の距離があるからです。
心の距離があると競技者は本音が言えません。本音が言えない競技者は体で自分自身を表現できなくなっていきます。
自分自身を表現できなくなっていった競技者は型にはまり始めます。最悪の場合はコーチの悪口を言うことを目的としたグループができます。そうするともう結果を出すのは難しい。なによりスポーツがつまらなくなる。愚痴るためのスポーツになってしまいます。
逆にコーチと競技者の距離が近いとその逆の現象が起きます。どんどん自分を表現できるようになるし、臆することなく挑戦できるようになっていきます。
これは世界の一流選手にも見られます。「練習はウソをつかない」と発言は、その競技者のコーチを信頼しているからこそ表に出る言葉です。練習メニューは大概コーチから出されますからね。
1-3.若さを生かしたコーチング
だからぼくはほぼ技術指導しない。むしろ24歳という若さを生かして高校生となじむこと、部活、陸上競技そのものが本当に楽しいと感じられるようにコーチをしている。「若さは武器」。これは協力隊で派遣されたときも同じことが言えると思う。
— 大村康太@JOCV候補 (@KotaOhmura) April 28, 2017
若いことはたしかに経験の面ではデメリットになるかもしれません。
ただ、ぼくは若さはメリットにもなると考えています。
ある程度年齢を重ねて貫禄のある指導者より、若くて競技者と近くて親しみのある指導者の方がおそらくなじみやすいんです。相談もしやすいだろうし話もしてくれる。
年齢が近いことで生徒の言葉遣いをあれこれ言う人もいるかもしれないけど、ぼくはそういうのあんまり気にしないんですよね。
というのはやっぱり時代って変わりましたからね。今は上から押さえつけるより仲良くやったほうが互いにいいんです。これは競技者と指導者の関係だけでなく、家族関係にも言えることですよね。最近子と親の距離が近くなりすぎてるという指摘がありますが、そんなのはどうでもいいんです。だってそれでうまくいってるのだから。
方法論じゃないんですよ。大切なのは結果が出ること。結果が出てから手段って正当化されるんです。若くても結果が出ればそれでいいんです。
若いからデメリットではなく、若さを生かした活動で結果を出せばいいんです。
これはぼくが陸上競技という職種でパラグアイで活動するときにも強みとして生かしたい点でもあります。
2.指導ではなくコーチング。それがコーチの仕事
ぼくが大切にしたいのは彼らの能力を引き出すこと。そして陸上競技で生活を崩壊させるのではなく、むしろ陸上競技をやることでさらに人生や生活が豊かになること。陸上競技なんて所詮生活の一部だから。それよりも高校生として勉強も学校生活も恋愛も、部活だけじゃなくてそういうことも楽しんでほしい
— 大村康太@JOCV候補 (@KotaOhmura) April 28, 2017
なんてったってぼくは1ヶ月半しかいない。協力隊も2年。期限がある。だからこそぼくは簡単なことしか言わないし、簡単なことの重要性を教えてる。簡単なことだったらそれだけで文化とか伝統として残る確率が上がるからね。
簡単なことで最大効果。それがコーチのプロフェッショナルだと現時点で思う— 大村康太@JOCV候補 (@KotaOhmura) April 28, 2017
1ヶ月半しかないからやれることに制限ってあるかもしれません。
ただ、限られた環境や状況の中で結果を残すことがコーチの仕事でもあります。でなければコーチを引き受けるべきではないと思っています。
さっきもバリバリ語りましたが、陸上競技は生活を豊かにするものであるべきなんです。だからぼくは陸上競技以外のところを大切にしてほしいと思っているし、そこから得られる気づきを陸上競技に生かしてほしいと思っています。
そうすれば自分で勝手に成長していきます。陸上競技の知識だけでなく、あらゆる事柄から自分の役に立つ情報を自分の肉にすることができるので、そういう人は強くなっていきます。それでまた人生が豊かになっていく。いいループですね。
んで、短い期間で結果を出すために何をやってるかなんですが、ぼくは簡単なことしか言いません。
「リラックスして」「ネガティブ発言禁止」
これくらいですよ(笑)。これを生徒と一緒にやって感覚を覚えさせます。覚えたことを生徒同士で共有する。
そうするとできる人がどんどん増えてきてチームの雰囲気も良くなっていきます。簡単なことだから出された課題に対して躊躇することもないし、むしろ簡単なことでも自分はこんなに変わるんだという実感を持つことが出来ればこれは本当に美味しいんです。
難しいことやきついことほど結果が出ると思うのは大間違い。人間の基礎的なところやバランスの崩れた場所などをちょっと修正してあげたほうがいいんです。競技力も伸びるし人生の狂った歯車も戻るから。
ぼくのコーチングは陸上競技のコーチングをしているのではなく、生き方のコーチングをしているんです。
これはぼくの失敗経験が生きてるんですね。いやぁ、いろいろ苦労しましたからねぇ(笑)
生きるって複雑じゃないですよね。いろいろな生き方を共有することで、生徒の思考や生き方の幅が広がると人生面白くなっていきます。面白くなると勝手にやるんですよ。
大人になればなるほど現実を見るようになって色々と諦める人が多くなります。ただ、ぼくのコーチングは彼らが触れたことがないいろいろな考え方を情報として取り入れてもらうこと、そして小さな成功体験を経験させることで自ら道を切り開いていけるんだという実感を持てるようにするように心がけています。
できるという経験って軽視されがちですが、本当に大切です。小さなことでもできた経験ってやっぱり嬉しいんですよ。
そういう小さな積み重ねで成功する集団になれば、コーチから技術指導をしなくても勝手に強くなっていきます。文化として残りやすくなる。
だからぼくは簡単なことしか言わないんです。
まとめ
なんかだらだらと書いてしまいましたが(汗)、新米コーチ大村がコーチングで大切にしていることをまとめると、
- 陸上競技で人生を豊かにする、幸せになる
- 信頼関係
- 若さを生かしたコーチング
- 触れたことのない情報を出して多様な考え方があることを知る
- 小さな成功体験を積ませる
こんな感じです。
陸上競技は人生の全てではありません。一部なんです。
高校生の部活って、学校生活とか家での生活とか、恋愛とか、勉強とか、遊びとか、仲間との関わりとか、そういうの全部大切だと思っています。恋愛禁止の部活ってぼくはちょっと理解できません。今の時代に合ってないです。まぁ、それで結果出てるところもあるのでいいと思いますが、人生の幅が狭まるのでぼくはそうしないかな。
むしろ恋愛しまくったほうがいいと思ってますから、ぼくは(笑)。
ぼくも学生の時部活ばっかりじゃなくて恋愛しとけばよかったなって後悔してますよ。
こんな感じで、ぼくは今とても順調かつ楽しくコーチ活動をやってます。
青年海外協力隊としてパラグアイで陸上競技の活動をするときも、陸上競技が全てではなく、あくまでも
- 人生が豊かであること
- 幸せであること
を大切にしていきたいなって思います。それだけは譲れないかなと思うことです。

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